タイ2部へ渡った元日本代表DF。J1からのオファーを断って選んだ36歳の海外挑戦

カテゴリ:日本代表

佐々木裕介

2017年08月29日

タイ空軍が持つクラブだけに、軍兵が絶えず使うのでホームグラウンドはボッコボコ。

チームメイトで得点源のヴィンセント・ケインとのツーショット。チームは目下10連勝中だ。写真:佐々木裕介

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――ジュビロ磐田からの契約延長提示、また他のJクラブでも活躍の場はあったと思うのですが?
 
「日本でプロ選手として持っていた志が、気持ちとしてひとつ終わったのかなと。昨季リーグ戦出場なしという状況下で、日々の取り組む姿勢を評価をしていただいたことに名波さん(名波浩監督)やハットさん(服部年宏強化部長)をはじめ、ジュビロ磐田への感謝の気持ちはありました。ただ私のなかでは、試合に出られないのに選手である意味があるのかと。正直引退も考えましたし。選手なんだから試合に出てナンボだろうということなんです」
 
――日本での挑戦よりも、選手として自ら輝けるステージが海外にあるだろうと?
 
「家族で話し合い『皆で海外に住もうよ』と、皆の気持ちが一致したのが大きかったんです。ならば選手として行けるうちにチャレンジしてみようと」
 
――なるほど。しかしいつも“瞳を輝やかせ”ながら話してくれますよね。初めてお会いした時からそう感じていたんです。日々が充実しているのでしょうね。
 
「タイへ来た当初は家族もまだ来てなくてひとりで、信じられないことの連続でイライラしていましたよ。日本と比較したりね。でもそれじゃダメだなと。いろんな方々から話を聞かせてもらって、まずは考え方や気の持ち方を変えようと。そして慣れ親しんだ日本の組織的な守備は理解され難い土壌なので、自らのサッカー自体も変えたんです」
 
―――海外挑戦のチャンスをくれたクラブの待遇はどうなのでしょうか?
 
「クラブはちゃんと私を外国人選手として見てくれていますし、住居や車も用意してくれています。正直給与面は日本でもらっていたよりも低いですが、生活には困っていないです。まぁ問題はそこではなかったので」
 
―――ではタイならではの“おもしろ話”を幾つか聞かせていただけませんか?
 
「ウチは名前の通り、タイ空軍が持つクラブなんです。ホームグラウンドは軍兵が絶えず使うのでボッコボコですよ。それもあってか時々、別の空軍施設で練習することもあるんですが、ゲートチェックにパスポート持参で行ったりね。またクラブハウスは愚か、個人ロッカーすらありません。あとはアウェー戦へ空軍機で移動することもありました。機内は縦に横並びに座る席配列、座りきれないスタッフが床に雑魚寝していたり。アウェー相手の知人選手へ『飛行機移動だよ』と伝えると『ウチの街には空港ないですよ』と。スタッフに聞いたら空軍基地があるから問題ないって笑って言われました。他にも話は尽きないですよ(笑)」
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