クラ選U-15で準優勝…柏U-15を率いるのはCL予選出場歴もある異色の指揮官

カテゴリ:高校・ユース・その他

松尾祐希

2017年08月25日

古巣で数多の才能に触れ、指導者への道を志す。

全国大会でも結果を残した飯塚監督。数多の修羅場を潜り抜けてきた叩き上げだ。写真:松尾祐希

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 海外への想いが沸点に達した飯塚は卒業後、海を渡ると決断する。アルゼンチンへのサッカー留学だ。さまざまな困難に直面するも乗り越え、2013年3月にはラトビア1部のFCダウガバと初のプロ契約を締結。そこでチャンピオンズ・リーグ予備予選などにも出場し、日本代表選手であっても容易くは味わえない貴重な経験を積んだ。
 
 その後ブルガリアなどでプレーしていた彼に転機が訪れる。2014年、24歳の夏だ。次の所属先が見つかるまでの間、古巣の柏で身体を動かすこととなった。そこで衝撃を受けるのだ。
 
「酒井直樹さん(現・日体大柏高監督)が当時U-15の監督をやっていた。そこに混ぜてもらって一緒に練習をしたんですが、これは無理だなと。本当に若くて才能を持った選手がたくさんいた。そんな彼らが恵まれた環境で日々過ごしていることを考えたら、24歳の僕が上を目ざして勝負しても飛躍するのは難しいなと感じた」
 
 そして飯塚は、現役を退き、指導者の道に進もうと決意する。
 
「元々指導者をやりたかったので、ここからの10年は指導者にかけようと思ったんです」
 
 2014年の夏から柏でU-15、翌年にはU-18でアシスタントコーチを務め、16年にはU-15のコーチを歴任する。今年からは引退のきっかけとなったU-15 で指揮を執り始めた。そして、就任1年目の夏。見事にクラ選U-15で準優勝を果たし、上々のスタートを切ったのである。
 
「こんなに素晴らしい場所でやらせてもらって良かった。本当に相手は強かったし、僕らのいまの現在地がよく分かりました」(飯塚監督)
 
 新米監督のチャレンジは終わらない。トップで通用する選手を育てるその日まで──。選手たち正面から向き合い、恩師や戦友たちから得た“熱”を今度は子どもたちに伝えていく。
 
取材・文:松尾祐希(サッカーライター)
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