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【小宮良之の日本サッカー兵法書】価値観、スタイル、人格…多様性に満ちたサッカー界で持つべきものとは?

カテゴリ:連載・コラム

小宮良之

2017年08月24日

怠惰な天才と真面目な凡人…どちらを選ぶ?

プロフェッショナルは人々の見本であるべきというのは理想だが、そうでなくとも人々を魅了できるという点も、多様性の持つ良さのひとつと言えるかもしれない。写真はEURO2016優勝のポルトガル代表。 (C) Getty Images

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 これは、アルゼンチンが正しく、日本人が間違っている、という話ではない。考え方は、思った以上に多様である。どれも一長一短。敗北から学ぶことのメリットは多いが、負けた時の振る舞いは大事であり、負けに甘んじるようなら成長はない。
 
 一方で、勝利への渇望は自らを強くするが、目の前の戦いだけに執着してしまう場合もある。過剰な勝利への欲求で不必要に暴力的になったり、相手へのリスペクトを失ったりすることにもなりかねない。
 
 名将と呼ばれる監督たちは、選手のキャラクター、人生観というものを柔軟に理解し、その力を引き出している。
 
 EURO2016でポルトガル代表を欧州王者に導いたフェルナンド・サントス監督は、様々なタイプの選手を適材適所で起用していた。素行の悪さやエゴの強さで有名な選手を招集して批判されても、お構いなしだった。
 
「昨今、サッカーが精神論で語られがちだ。例えば、夜遊びしてピッチで1メートルも動かなくても40ゴールを決めるロマーリオと、本当に真面目でよく働くものの15ゴールしか決めないFWがいたらどうか? 私はロマーリオを選ぶよ。献身性や頑張りは素晴らしいが、それはフットボーラーとしてのひとつの仕事に過ぎず、全てではないのだ」
 
 天才ディエゴ・マラドーナの能力を最大限に引き出した名将、セサル・ルイス・メノッティの言葉である。
 
文:小宮 良之
 
【著者プロフィール】
こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『おれは最後に笑う』(東邦出版)など多数の書籍を出版しており、今年3月にはヘスス・スアレス氏との共著『選ばれし者への挑戦状 誇り高きフットボール奇論』(東邦出版)を上梓した。
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