【総体】フットボールIQがマジでスゴい! 青森山田・郷家友太はやっぱり“怪物”だった

カテゴリ:高校・ユース・その他

川原崇(サッカーダイジェストWeb編集部)

2017年07月30日

「これを獲ってこそ、ホンモノだと思ってますんで」。

後半アディショナルタイム、長い距離を走破して決定的な3点目を決める。黒田監督も「あれで楽になった」と称えた。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 敵DFがクリアボールの処理にもたつくところを見逃さず、猛然と長駆して奪い取ると、飛び出していたGKの脇を抜く一撃を決めた。勝利を決定づける3点目だ。

 卓越したプレービジョンをつねに働かせ、攻守両面で示した奮迅の働き。あの苦しい時間帯で走り切るタフさ、決め切る勝負強さ。わたしの目の前でずっと大人しく試合を観ていた中学生も、この時ばかりは腰を上げ、「すげえ、すげえよ」と感嘆の声を上げていた。
 
「足をツッてる選手が多くて、あそこに自分が走り込んで、なんとか時間を作れればいいかなと思ってました。したらボールを奪えて、キーパーが中途半端な位置にいるのが見えて、うまく決められました。でも、誰も称えに来てはくれなかったですね(笑)。疲れてたのかな。あれー、って感じでした」
 
 そう話して、報道陣の笑いを誘った。
 
 ただ、試合前は正直、不安もあったという。
 
「不思議なくらい、みんな緊張で声が出てなかった。プレミアとかだとしっかりやれてるのに、いつもより会話がなかったんです。初の全国大会という選手もいるなかで、やっぱり初戦ゆえの難しさがありましたね。でも、試合に入ったら問題なくやれていた。そこは流石だなと思いました」
 
 東福岡に勝利したのもつかの間、明日月曜日の3回戦では、先の選手権決勝で対峙した前橋育英と戦う。かえすがえす、とんでもない“山”に入ったものだ。
 
「最初に組み分けを聞いたとき、2回戦で東福岡と当たるかもしれないと聞かされて、え?ウソでしょ?って思いましたもん。明日の前橋育英はきっと、冬の決勝のリベンジで来る。僕たちは迎え撃つんじゃなくて、立ち向かう気持ちで臨まなければといけませんね。厳しい山ですけど、またミーティングで良い準備をして、ひとつずつ勝利を掴みたいと思います」
 
 生まれ育ったのは仙台市。中学まではベガルタ仙台ジュニアユースで研鑽を積んだ。それゆえ、地元開催の今大会にかける想いは人一倍強い。
 
「去年、インターハイは唯一獲れなかったタイトルなんで、どうしても獲りたい。あとは地元での開催で、応援してくれるひともたくさんいるんで、喜んでもらいたいという想いもあります。この夏のトーナメントを獲ってこそ、ホンモノだと思ってますんで」
 
 強豪相手にフットボールIQの高さを見せつけ、大人顔負けの風格さえ漂わせる郷家友太。最後に、「安藤くん(瑞季/長崎総科大附)が『郷家には絶対負けたくない』と話してましたよ」と伝えると、少年のようにあどけない表情でにっこり笑い、「それは僕もです!」と受けて立った。
 
取材・文:川原崇(サッカーダイジェストWeb編集部)
 
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