町田ユースがクラセン16強の快進撃! 背景にJ2最少人件費で戦うクラブの哲学あり

カテゴリ:高校・ユース・その他

大島和人

2017年07月28日

相手の懐に飛び込んでかわされ…決勝点。しかし、その姿勢こそ指揮官が求めたもの。

町田ユースを率いる竹中監督。選手たちに「チャレンジ」を求め、16強入りに導いた。(C)kikuchi naoto

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 ベスト16入りを果たして迎えたノックアウトステージの初戦。横浜FMを相手に、前半は苦しい展開だった。町田は5-3-2の布陣で臨んだが、横浜FMの両サイドMFとSBに再三サイドを破られ、防戦に追われた。
 
 先制点は横浜FM。28分、左サイドを崩すと塚田裕介がクロスを送り、岩城大助がヘッドを合わせ、最後はこぼれ球を栗原秀輔が頭で押し込んだ。
 
 後半開始とともに竹中監督は布陣を5-4-1に変えた。指揮官は理由をこう説明する。「思いのほか足取りが重くて、時間が立つにつれて相手が(サイドで)自由になった。そこを消せばボールを奪えるだろうなと思った」
 
 横浜FMの西谷冬樹監督は「(町田が)後ろで時間を作らせてくれなかった」と明かす。町田は相手の横パスに対してはそこまで踏み込まなかったが、相手が「下げた」ボールに対しては激しく追っていた。またその次の縦パスに対してもしっかり蓋をして、GKやDFに蹴ることを強いていた。
 
 そんな流れから相手のミスを突き、生まれたのが50分の同点弾。齋藤滉がエリア左に抜け出し、奥のネットに流し込む形だった。
 
 しかし横浜FMは強力なリザーブ陣を次々にピッチへ送り出す。特に効いていたのは61分からピッチに入った椿直起だ。強烈なスピードと、足に吸いつくようなボールタッチを持つドリブラーが、左サイドを切り裂いた。87分の決勝点も椿の突破から生まれている。彼が中に切れ込んでラストパスを送り、右サイドから入ってきた伊藤優世が仕留める形だった。
 
 決勝点の場面で町田が見せた対応は拙く思えた。右ウイングバックの須藤友介がボールに飛び込んで外され、そこから一気に崩されたからだ。椿のような「抜く」怖さがある選手に対して、間合いを詰めてチャレンジするリスクは大きい。
 
 ただ竹中監督の考えは少し違った。対人プレーの「スピリットを持っている子」という須藤に対して試合中に送っていた指示は、まず椿に時間とスペースを与えないこと。つまりボールが入った瞬間にチャレンジすることは是だった。
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