レジェンドの軌跡 THE LEGEND STORY――第25回・ゾフ(元イタリア代表)

カテゴリ:PR

サッカーダイジェストWeb編集部

2017年07月20日

W杯とEUROを制した唯一のイタリア人

40歳で掴んだ世界一の称号。写真は、分岐点となったブラジル戦の後で、アシスタントコーチを務めたチェーザレ・マルディーニ(パオロの父)と喜びを分かち合った。 (C) SOCCER DIGEST

画像を見る

 敏捷性、位置取りの良さ、優れたコーチング能力などを活かし、高いセーブ率を誇った稀代のGKは、クラブだけでなく、イタリア代表でもタイトルに恵まれた。
 
 前述の通り、66年イングランドW杯では、すでにメンバー候補に挙げられていたゾフは68年4月20日、当時の彼の本拠地だったナポリで行なわれた、EURO68の準々決勝ブルガリア戦で代表初キャップを刻んだ。
 
 クラブとは違い、代表では白星デビューを飾った彼は、自国でのEURO本大会(当時は準決勝以降が本大会だった)でも、先輩のエンリコ・アルベルトージを抑えて正GKの座を守り、ソ連との準決勝では120分間無失点を守る。決着はコイントスに委ねられ、幸運にもイタリアはローマでの決勝に進んだ。
 
 ユーゴスラビアとの欧州王座を懸けた一戦は、1-1のまま互いに譲らず、120分間を終える。当時はPK戦が導入されていなかったため、2日後に再試合が行なわれ、ゾフは今度こそ相手に得点を許さず、2-0の勝利に貢献した。
 
 2年前のW杯では北朝鮮に足元をすくわれて無残なグループステージ敗退を喫し、帰国の際には空港で卵やトマトをぶつけられた「アッズーリ」が、大陸の覇者となった。その栄光のメンバーに、ゾフは26歳で名を連ねたのだった。
 
 しかし、70年メキシコW杯ではアルベルトージにポジションを奪回され、チームの快進撃、そして決勝でペレら多くの天才を擁するブラジルに1-4の完敗を喫する様を、アステカのベンチで眺めることとなった。
 
 ゾフのW杯デビューは、その4年後。西ドイツ(当時)での大会、イタリアはポーランド、アルゼンチンの後塵を拝し、またしても1次リーグで敗退を喫する。
 
 続く78年のアルゼンチンW杯、イタリアは1次リーグで開催国アルゼンチンを下して首位通過したが、2次リーグではオランダに敗れて決勝進出はならず、3位決定戦に回り、ブラジルに敗れて4位で大会を終えた。
 
 オランダ戦では強烈なロングシュート2本、ブラジル戦ではネリーニョのあり得ないほどのスライスがかかったシュートと、スーパーゴールを許したゾフだが、大会を通しては好守を披露し、またリーダーとしてチームに好成績をもたらした。
 
 自国開催で4位に終わったEURO80を経て、40歳で迎えたのがスペインW杯。大会前、イタリアは優勝候補ではなく、実際に1次リーグは3引き分けという成績に終わり、わずかな得失点差で2位につけ、2次リーグ進出を果たした。
 
 メディアとの関係も最悪で、国内からも猛烈な非難を浴びる最悪の状況のなか、ゾフは監督のエンツォ・ベアルツォットとともにチームを周囲の雑音から遠ざけ、ひとつに纏める重要な役割を担った。
 
 そしてイタリアは、アルゼンチン、ブラジル相手に驚きの連勝を飾って「死の組」を勝ち抜き、以降は覚醒したストライカー、パオロ・ロッシとともに優勝へ向けてばく進。見事に3度目の世界制覇を果たした。
 
 イタリアにとって分岐点となった優勝候補筆頭ブラジルとの一戦、3-2で迎えた試合終盤にオスカールの決定的なヘディングシュートを、ゾフはゴールライン上で止めた。勝利だけが準決勝進出の条件だったに、まさに値千金のスーパーセーブだった。
 
 マドリードの夜空に、キャプテンとして黄金のトロフィーを掲げたゾフ。彼は今なお、W杯とEUROを制した唯一のイタリア人である。
 
 この1年後に現役生活を終えたゾフは、その後、88年に古巣ユベントスで監督を務め、コッパ・イタリア、UEFAカップで優勝。90年、96年、2001年にラツィオ(ここでは会長も務めた)、そして05年にはフィオレンティーナを率いた。
 
 代表では86年に五輪代表を率い、98年にはA代表監督に就任。EURO2000では、大会直前にエースのクリスティアン・ヴィエリを怪我で失うアクシデントに見舞われながらも、経験の浅いステーファノ・フィオーリを中盤の核に置く英断により、短期間で好チームを作り上げた。
 
 本大会では決勝へ進出。フランス相手に後半アディショナルタイムまでリードを保ち、代表監督としてのタイトル獲得も目前に迫っていたが、その矢先に追い付かれ、力尽きた延長戦では決勝点を許して悪夢のような敗北を喫した。ゾフはその仕事ぶりを評価されながらも、大会後に職を辞した。
 
 フィリッポ・ガッリ、ワルテル・ゼンガ、パリュウカ、フランスチェスコ・トルド、ジャンルイジ・ブッフォン……連綿と続く、イタリア名GKの系譜。その流れを作ったのはゾフであると言っても過言ではない。偉大なるレジェンドは、今なおカルチョに対し、重みのある助言を送り続けている。

戦略サッカーシミレーションの決定版! ポケサカに”レジェンド”たちが登場

ユーザー自身がオーナーとなって理想のサッカークラブを作り上げる、スマートフォン用育成シミュレーションゲーム「ポケサカ」(対応OSはiOS、Android、端末対応はKindleFire)。今回は、ゾフが登場。「ゾフカップ」にエントリーして、「イタリア版ゾフ」を手に入れよう。詳細はアプリ内お知らせでチェック!!
公式HP:http://www.pksc.jp/
公式twitter:@PocketSoccer_PR
 
  APP storeからダウンロード
https://itunes.apple.com/jp/app/id572515596
  Google playからダウンロード
https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.newstech.awakereset
  KindleFireでダウンロード
http://www.amazon.co.jp/dp/B00L94O82W
【関連記事】
レジェンドの軌跡 THE LEGEND STORY――第24回・ロッベン(バイエルン/オランダ代表)
レジェンドの軌跡 THE LEGEND STORY――第23回・デル・ピエロ(元イタリア代表)
レジェンドの軌跡 THE LEGEND STORY――第22回・ベルカンプ(元オランダ代表)
レジェンドの軌跡 THE LEGEND STORY――第21回・スコールズ(元イングランド代表)
レジェンドの軌跡 THE LEGEND STORY――第20回・ロベルト・カルロス(元ブラジル代表)
レジェンドの軌跡 THE LEGEND STORY――第19回・カントナ(元フランス代表)

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 世界各国の超逸材を紹介!
    4月18日発売
    母国をさらなる高みに導く
    「新・黄金世代」大研究
    列強国も中小国も
    世界の才能を徹底網羅!!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ