前述の通り、66年イングランドW杯では、すでにメンバー候補に挙げられていたゾフは68年4月20日、当時の彼の本拠地だったナポリで行なわれた、EURO68の準々決勝ブルガリア戦で代表初キャップを刻んだ。
クラブとは違い、代表では白星デビューを飾った彼は、自国でのEURO本大会(当時は準決勝以降が本大会だった)でも、先輩のエンリコ・アルベルトージを抑えて正GKの座を守り、ソ連との準決勝では120分間無失点を守る。決着はコイントスに委ねられ、幸運にもイタリアはローマでの決勝に進んだ。
ユーゴスラビアとの欧州王座を懸けた一戦は、1-1のまま互いに譲らず、120分間を終える。当時はPK戦が導入されていなかったため、2日後に再試合が行なわれ、ゾフは今度こそ相手に得点を許さず、2-0の勝利に貢献した。
2年前のW杯では北朝鮮に足元をすくわれて無残なグループステージ敗退を喫し、帰国の際には空港で卵やトマトをぶつけられた「アッズーリ」が、大陸の覇者となった。その栄光のメンバーに、ゾフは26歳で名を連ねたのだった。
しかし、70年メキシコW杯ではアルベルトージにポジションを奪回され、チームの快進撃、そして決勝でペレら多くの天才を擁するブラジルに1-4の完敗を喫する様を、アステカのベンチで眺めることとなった。
ゾフのW杯デビューは、その4年後。西ドイツ(当時)での大会、イタリアはポーランド、アルゼンチンの後塵を拝し、またしても1次リーグで敗退を喫する。
続く78年のアルゼンチンW杯、イタリアは1次リーグで開催国アルゼンチンを下して首位通過したが、2次リーグではオランダに敗れて決勝進出はならず、3位決定戦に回り、ブラジルに敗れて4位で大会を終えた。
オランダ戦では強烈なロングシュート2本、ブラジル戦ではネリーニョのあり得ないほどのスライスがかかったシュートと、スーパーゴールを許したゾフだが、大会を通しては好守を披露し、またリーダーとしてチームに好成績をもたらした。
自国開催で4位に終わったEURO80を経て、40歳で迎えたのがスペインW杯。大会前、イタリアは優勝候補ではなく、実際に1次リーグは3引き分けという成績に終わり、わずかな得失点差で2位につけ、2次リーグ進出を果たした。
メディアとの関係も最悪で、国内からも猛烈な非難を浴びる最悪の状況のなか、ゾフは監督のエンツォ・ベアルツォットとともにチームを周囲の雑音から遠ざけ、ひとつに纏める重要な役割を担った。
そしてイタリアは、アルゼンチン、ブラジル相手に驚きの連勝を飾って「死の組」を勝ち抜き、以降は覚醒したストライカー、パオロ・ロッシとともに優勝へ向けてばく進。見事に3度目の世界制覇を果たした。
イタリアにとって分岐点となった優勝候補筆頭ブラジルとの一戦、3-2で迎えた試合終盤にオスカールの決定的なヘディングシュートを、ゾフはゴールライン上で止めた。勝利だけが準決勝進出の条件だったに、まさに値千金のスーパーセーブだった。
マドリードの夜空に、キャプテンとして黄金のトロフィーを掲げたゾフ。彼は今なお、W杯とEUROを制した唯一のイタリア人である。
この1年後に現役生活を終えたゾフは、その後、88年に古巣ユベントスで監督を務め、コッパ・イタリア、UEFAカップで優勝。90年、96年、2001年にラツィオ(ここでは会長も務めた)、そして05年にはフィオレンティーナを率いた。
代表では86年に五輪代表を率い、98年にはA代表監督に就任。EURO2000では、大会直前にエースのクリスティアン・ヴィエリを怪我で失うアクシデントに見舞われながらも、経験の浅いステーファノ・フィオーリを中盤の核に置く英断により、短期間で好チームを作り上げた。
本大会では決勝へ進出。フランス相手に後半アディショナルタイムまでリードを保ち、代表監督としてのタイトル獲得も目前に迫っていたが、その矢先に追い付かれ、力尽きた延長戦では決勝点を許して悪夢のような敗北を喫した。ゾフはその仕事ぶりを評価されながらも、大会後に職を辞した。
フィリッポ・ガッリ、ワルテル・ゼンガ、パリュウカ、フランスチェスコ・トルド、ジャンルイジ・ブッフォン……連綿と続く、イタリア名GKの系譜。その流れを作ったのはゾフであると言っても過言ではない。偉大なるレジェンドは、今なおカルチョに対し、重みのある助言を送り続けている。
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