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【U-20代表】トゥーロン国際に続き大抜擢された無名の大学生ストライカー・小松蓮とは何者か?

カテゴリ:日本代表

川端暁彦

2017年07月15日

「『アイツは点を取るな』と思われたい」

同じく後半頭から出場した中坂(13番)とはまずまずの連係を披露するなど、2トップの一角で存在感を示した。写真:川端暁彦

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 小松は今年4月から産業能率大に入学したばかりで、当然ながらU-20ワールドカップにも出場していない。松本U-18からトップチームへの昇格を果たせなかった選手でもあるが、最後のJユースカップでのプレーぶりが関係者の目にとまってリストアップされており、今年5月のトゥーロン国際大会に臨むU-19代表へ大抜擢を受けた。
 
「最初は(代表という場に)緊張していた」と笑って振り返るが、試合をこなしながら日の丸を付けてのプレーを自分の中で消化していったようだ。「少しずつ自信になってきた」とも言う。
 
 トゥーロン国際では全3試合で先発し、183センチの巨体を活かしてターゲットマンとして機能。守備のタスクもしっかりこなしながら、DFを背負ってボールを受け、ヘディングでの競り合いでも強さを見せた。
 
 持ち味であるクロスボールへの迫力ある飛び込みも見せていたが、しかしゴールは遠かった。「チャンスを仕留めきれなかった」(小松)のは明らかで、課題は明確すぎるほどだった。
 
 チーム解散に際しては秋葉忠宏コーチからも「結局、FWは点を取らなければ価値も上がらない」と厳しい言葉も受けた。チームに戻ってからは積極的にシュート練習を積んだだけでなく、普段の練習でも「まずゴールを奪うことを意識するようにしてきた」と課題克服に取り組んだだけでなく、「他のFWがどうやってプレーしているのかをよく観るようになった」とも言う。
 
 この日も、前半に2得点を挙げたユニバ代表の中野誠也(筑波大)が「どうやって裏を取っているんだろうとか、ずっと観ていた」と言う。普段は神奈川県リーグでプレーしている小松にとって、関東大学リーグのスター選手がそろうユニバ代表も眩しい存在なのだと明かしてくれた。
 
「『アイツは点を取るな』と思われたい」
 
 無名の県リーグ所属選手が狙うのは、もちろん3年後の東京五輪。「ひとつずつレベルアップして這いつくばってでも」目指す舞台にたどり着くために、FWとしての価値を示していくほかない。
 
「ゴール以外の仕事が素晴らしい」と評されていた自分に「ゴール」という価値を加えていけるかどうか。その最初の関門となったユニバ代表戦で、小松はちょっとした可能性を示すこととなった。

取材・文:川端暁彦(フリーライター)
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