【英国人記者コラム】若手台頭のイングランド代表だが、プレミアリーグの現状は…

カテゴリ:ワールド

スティーブ・マッケンジー

2017年07月14日

問題はプレミアリーグにある…。

ガスコイン(左上)やベッカム(右上)、ジェラード(左下)、ルーニー(右下)といった名手たちが成し遂げられなかった世界制覇の夢を、今の若い世代は叶えられるだろうか? (C) Getty Images

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 とはいえ、問題もある。代表チームで伸び伸びとプレーする彼らも、プレミアリーグにおいては、そのプレー時間が限られてしまっているのが現状なのだ。その典型例がチェルシーに所属するルイス・ベーカーだろう。
 
 U-21代表の絶対的主力に君臨する逸材MFだが、ここ2年はレンタル先のフィテッセでプレー。2014年に下部組織からトップチームに昇格したものの、チェルシーで公式戦に出場したのは、現在に至るまでFAカップの1試合のみに留まっている。
 
 その他のデマライ・グレイ(レスター)、ナサニエル・チャロバー(チェルシー→ワトフォード)、カラム・チェンバース(アーセナル)といったU-21代表の主力たちは、代表レベルの活躍とは裏腹に、クラブでは定位置を掴みきれていない。A代表でも活躍できるレベルにまで成長するには、プレミアリーグでの経験が必要なのは明らかだ。
 
 プレミアリーグの各クラブが、世界最高の放映権マネーを背景に大金で即戦力をかき集め、アカデミー出身の若手を軽視する風潮は、イングランド代表の未来にとって間違いなく大きな問題である。ロナルド・クーマン(エバートン)やマウリシオ・ポチェティーノ(トッテナム)のように下部組織出身者を重宝する監督は少数派にすぎない。
 
 毎年のようにサッカー界の未来を担うような若手が育ち、トップチームで活躍するスペインやドイツに比べれば、イングランドの育成環境には問題が山積みだ。代表チームが本当の意味で成功を収めるには、リーグを含めた全体での改善が求められる。しかし、信じられない移籍金が飛び交い、世界中からタレントが集結するプレミアリーグの現状を考えると、抜本的な改革は簡単ではないだろう……。
 
文:スティーブ・マッケンジー
 
スティーブ・マッケンジー (STEVE MACKENZIE)
profile/1968年6月7日にロンドンに生まれる。ウェストハムとサウサンプトンのユースでのプレー経験があり、とりわけウェストハムへの思い入れが強く、ユース時代からサポーターになった。また、スコットランド代表のファンでもある。大学時代はサッカーの奨学生として米国の大学で学び、1989年のNCAA(全米大学体育協会)主催の大会で優勝に輝く。
 
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