大前やマルセロが得点源として存在感を高められるか。
ただ、大前は、これでようやく2点目だ。昨季5位の躍進を支えたMF家長昭博という絶対的な支柱が抜けた大宮を救う存在として大きな期待を受け、今オフに清水から移籍して来た。
しかし、今季の大宮は攻撃面で結果を残すことができず、次第に守備の立て直しが急務となり、攻撃の形を見失っていった。大前がチームに馴染むかどうかではなく、チーム自体が新たな形を模索する中で、大前は持ち味を発揮できずにいた。
だからこそ、大前がゴール前に数多く顔を見せ始めていることには価値があり、成果としてのゴールには大きな意味がある。
渋谷洋樹前監督の下では縦並びになる2トップの一角に入ることが多かったが、伊藤監督就任後は、3トップの左が定位置となった。守備に引っ張られたり、攻撃の組み立てに参加したりするため、ゴール前で得点力を発揮する場面になかなかたどり着かない試合が続いていたが、直近の数試合ではシュート数が増えており、左からゴール前に顔を出す形が見えて来た。
16節の広島戦では、江坂がシュートを決めた際、近い位置からファーサイドへ離れて相手を引き付けたのが大前だった。札幌戦は、得点後の決定機を2度外したこともあり「決め切っていれば、こういう(2点リードから引き分けとなる)終わり方にはなっていなかったと思う。試合の終わり方の問題もあるとは思うけど、オレの責任かなと思いますね」と浮かない顔を見せたが、フィニッシュワークに関わる回数は確実に増えている。
伊藤監督が目指す攻撃のスタイルでは、選手がポジションを頻繁に入れ替わってローテーションする。攻撃時には中央へ寄って江坂と2トップになる形が多くなる大前は「監督が代わって、良いサッカーができていたし、自分の持ち味も出せていた。でも、得点になかなか絡めなかった。最近はチャンスに顔を出せるようになって来ているので、もっと点が取れれば良い。(江坂以外にも)いろいろなところで得点が取れるようになれば、もっと攻撃も多彩になるし、チャンスは作れると思います」と手応えを話した。
伊藤監督就任後も無失点試合が少ないという課題は解決していない。ポゼッションコントロールで守備の機会自体を減らしたいところだが、勢い任せの連続カウンターでボールロストが増え、ペースを失う試合が多い。
仮に失点数が減らなければ、取る点数を増やすしかない。好調の江坂に加え、大前や新加入のマルセロ・トスカーノが得点源として存在感を高められるかどうかは、重要なポイントだ。
取材・文:平野貴也(スポーツライター)
しかし、今季の大宮は攻撃面で結果を残すことができず、次第に守備の立て直しが急務となり、攻撃の形を見失っていった。大前がチームに馴染むかどうかではなく、チーム自体が新たな形を模索する中で、大前は持ち味を発揮できずにいた。
だからこそ、大前がゴール前に数多く顔を見せ始めていることには価値があり、成果としてのゴールには大きな意味がある。
渋谷洋樹前監督の下では縦並びになる2トップの一角に入ることが多かったが、伊藤監督就任後は、3トップの左が定位置となった。守備に引っ張られたり、攻撃の組み立てに参加したりするため、ゴール前で得点力を発揮する場面になかなかたどり着かない試合が続いていたが、直近の数試合ではシュート数が増えており、左からゴール前に顔を出す形が見えて来た。
16節の広島戦では、江坂がシュートを決めた際、近い位置からファーサイドへ離れて相手を引き付けたのが大前だった。札幌戦は、得点後の決定機を2度外したこともあり「決め切っていれば、こういう(2点リードから引き分けとなる)終わり方にはなっていなかったと思う。試合の終わり方の問題もあるとは思うけど、オレの責任かなと思いますね」と浮かない顔を見せたが、フィニッシュワークに関わる回数は確実に増えている。
伊藤監督が目指す攻撃のスタイルでは、選手がポジションを頻繁に入れ替わってローテーションする。攻撃時には中央へ寄って江坂と2トップになる形が多くなる大前は「監督が代わって、良いサッカーができていたし、自分の持ち味も出せていた。でも、得点になかなか絡めなかった。最近はチャンスに顔を出せるようになって来ているので、もっと点が取れれば良い。(江坂以外にも)いろいろなところで得点が取れるようになれば、もっと攻撃も多彩になるし、チャンスは作れると思います」と手応えを話した。
伊藤監督就任後も無失点試合が少ないという課題は解決していない。ポゼッションコントロールで守備の機会自体を減らしたいところだが、勢い任せの連続カウンターでボールロストが増え、ペースを失う試合が多い。
仮に失点数が減らなければ、取る点数を増やすしかない。好調の江坂に加え、大前や新加入のマルセロ・トスカーノが得点源として存在感を高められるかどうかは、重要なポイントだ。
取材・文:平野貴也(スポーツライター)