【鳥栖×浦和秘話】初シュートが初ゴール。福田晃斗が同期の鎌田大地に捧げた魂の惜別弾

カテゴリ:Jリーグ

塚越 始(サッカーダイジェスト)

2017年06月28日

福田は胸を張って言った。「これで大地を世界へ送り出せます」

福田(下段、手前)、鎌田(上段、右からふたり目)、今季は揃って主力として活躍。これからはそれぞれの舞台で、さらなる高みを目指す。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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 田川が先制点につながるCK獲得と2点目につながるチェイシングに成功し、池田の献身的なサイドへの追い込みと藤田優人のボール奪取が福田の一撃をもたらした。「力のある浦和に勝つためには、全員が持っている力を出し切る必要があった」とフィッカデンティ監督は語っていたが、サポーターを含め、まさに鳥栖のチーム一丸で掴んだ勝利となった。
 
 そして福田にとって、この日唯一のシュートが今季初ゴールになった。彼は試合後、この特別な勝利を誰よりも喜んでいた。
 
「(鎌田)大地は同期入団で、2年半一緒に戦ってきた大切な仲間。なんとかして勝ちを贈りたいと思っていた。その試合でゴールを決めて、勝利にかかわれて本当に良かった。これで大地を世界へ送り出せます(笑)。僕自身の初ゴールなんかより、そのことのほうが嬉しいです」
  
 ちなみに『今季初ゴール』を決めた福田に対して鎌田は、「やっぱり普段決めない選手がゴールすると勝てるな、と思えた(笑)」と、最後にパンチの利いたひと言を残した。そんな鎌田らしいコメントを、福田も苦笑い(!?)を浮かべて受け止めていた。
 
 鳥栖で2年半プレーした鎌田は、この門出で掴んだ1勝を「これまでで最高の勝利だった」と喜んだ。鳥栖とともに、成長曲線はしっかり上に向いたまま、ドイツに旅立つ。
 
「スタジアムの雰囲気がとても良く、過去一番と言えるぐらい試合内容も良かった。みんな本当に戦っていて、走っていて、チーム一体で勝利を掴むことができました」
 
 多くのドラマが詰まった、まさに『ベアスタ劇場』。間断なく降り注いでいた雨脚は徐々に弱まり、ちょうど試合終了時に止んだ。鎌田のドイツでの成功を早くも予感させる、そんな最高の夜になった。

 鎌田、福田、(さらに小野や権田や田川も……)、そして鳥栖にとって、ターニングポイントとなる1勝になった。そして鳥栖は今週末の7月2日(18時)、甲府とアウェーで対戦する。一方、鎌田はフランクフルトでメディカルチェックなどを受けて正式契約を結んだのち、7月1日に始動するチームへと合流する。
 
 取材・文:塚越 始(サッカーダイジェスト編集部)
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