本田圭佑がインサイドハーフで見せた"新境地"。その姿は、かつての遠藤保仁と重なる

カテゴリ:日本代表

佐藤俊

2017年06月08日

2013年のオランダ戦、流れを変えた遠藤を「ヤットさんの存在感はすごい」と本田は絶賛した。

急ぎ過ぎるチームにあって、タメを作れる本田の存在は貴重だ。(C)SOCCER DIGEST

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 ザッケローニ監督時代、ポゼッションサッカーを進化させるうえで本田が一番頼りにしていたのが遠藤だった。とかく早く前に攻撃に急ぎすぎるチームにあえて“待った”をかけ、タメを作り、リズムを変え、試合の流れさえも変えた。

 2013年、欧州遠征でのオランダ戦、後半からボランチに入って攻撃を活性化し、流れを変えた遠藤を本田は、「ヤットさんの存在感はすごい」と絶賛した。その頃の遠藤は本田だけではなく、日本代表にとって重要かつ大きな存在だった。
 
 もしかすると今、本田は遠藤のような役割を果たそうとしているのではないか。そう思えるほど、インサイドハーフの本田は遠藤っぽいプレーをしていた。タイプは違うがチームに変化をもたらした選手の傍でプレーしていただけにタメを作ってチームの流れを変える術は、しっかりと身につけている。
 
 それが縦に早く攻めるコンセプトのこのチームには効果的だ。

 ゆっくりとボールを回すとハリルホジッチ監督に「早く前に出せ」と怒鳴られるが、本田が時間を作り、左右に展開することには何も言わなかった。それを繰り返し、結果を出していけば今後、ポゼッションを可能にするキッカケになるかもしれない。
 
 守備も悪くない。

 もともとフィジカルが強いので目前や近くの相手選手をガツンと潰してくれる。危ない時には自ら後ろに下がるなど気の利いた守備ができる。後ろに戻るスピードに難があるが、背中にいるアンカーの山口蛍か井手口陽介がフォローしてくれるはずだ。
 
 4-3-3を継続するなら今後は本田をインサイドハーフで起用すべきだ。

 今の本田はサイドハーフではなく、インサイドハーフでこそ生きる。

 遠藤のように、ひとり違う空間を作ることができる。

 それが目に見えて分かったことは、シリア戦の大きな収穫のひとつだった。
 
取材・文:佐藤俊(スポーツライター)

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