進境著しい日体大柏高校を率いるのは、元レイソル&日本代表のあのプリンスだった

カテゴリ:高校・ユース・その他

川端暁彦

2017年06月03日

「足下を見つめて出直してきます」。

昌平戦で2点目を決めた日体大柏のFW松田一紗。控え部員の分厚い応援が届く環境は「つい熱くなっちゃう」と指揮官。写真:川端暁彦

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 日立サッカースクール(レイソルU-18の前身チーム)出身である酒井監督は、「高校サッカー」とは縁のないサッカー人生を送ってきた指導者である。ただ、だからこそ感じるものもあるようだ。
 
「日々発見があるし、僕の中にある伸びしろみたいなのが見えてきた感覚がある。サッカーのいろいろ新しいところが見えてきて、(指導者としての)引き出しが増えた実感もあるんです」
 
 たとえば、球際の戦い方がそうだと言う。
 
「これまで僕は『できるだけ当たられないようにする』サッカーをやってきました。でも、そこのボールに行くところ、当たり方の駆け引きとかにすごいこだわりがあって、これもサッカーの魅力だと思うようになりましたし、『こういう主導権の獲り方もあるんだ』と学びましたね」
 
 酒井監督が志向し、選手に課しているスタイルは、ボールを大事にしながらスペースを使っていくレイソルのそれだ。ただ、一方的にやり方を押しつけるのではなく、従来から日体大柏が持っていたベースも大事にしながら、より強いチームへと化学変化を起こせるように模索している。その成果が着実に見えたのが、関東大会千葉県予選の優勝だろう。
 
「市立船橋や流経大柏の出ていない大会と言っても、タイトルを獲ることは簡単じゃないですから。昨年から出ている選手が大半ですし、みんな同じような絵を頭の中に描いてサッカーをすることができている」
 
 チームとしての手ごたえはある。それだけに終了間際のセットプレーで敗れた関東大会初戦については「自分の責任です」と率直に認めた。事前の準備でも交代策でもコーチングでも、なにかできることがあったはず。そういう思いが湧いてくるのも、「いまは選手たちと一緒に戦っている感覚がある」からだろう。
 
 目前に迫るインターハイ予選、そして高校選手権予選に向けて、酒井監督は「足下を見つめて出直してきます」とさらなるレベルアップを誓った。
 
 どうしても二大巨頭に注目が集まる千葉県だが、若き指揮官の下で新たな芽が育ち、元より激戦区の千葉県は、さらなる大激戦区となっていきそうだ。
 
取材・文:川端暁彦(フリーライター)

選手時代も指導者となってからもクラブユースの育成畑を歩んできた。そんな41歳の指導者にとって高体連のフィールドでの日々は新鮮で、大きな刺激となっている。写真:川端暁彦

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