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【小宮良之の日本サッカー兵法書】強国に比肩する技術を持つ日本がU-20W杯で勝ち続けるには!?

カテゴリ:連載・コラム

小宮良之

2017年05月30日

ウルグアイ戦で経験不足を晒し、イタリア戦では窮地で本領発揮

ウルグアイ戦では南米王者たる所以を思い知らされたが、チャンスを逸して自ら流れを手放した感もあった。今後、ここ一番で技術をどれだけコンスタントに発揮するかが、“原石”たちの課題と言えよう。 写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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 これ以後、日本はウルグアイに主導権を持っていかれた。ボランチの原輝綺が孤立し、距離感も悪くなった。後半は立て直し、ブロックを作る相手にボールを持って攻めかかったが、引き込まれてカウンターで追加点を浴び、万事休した。
 
「選手の経験が足りない。試合を読む力で負けた」
 
 一転して、選手に対して批判的な論調が流れた。
 
 そして第3戦のイタリア戦は、日本のイノセントな部分が陰陽同時に露出することになった。
 
 前半3分、日本はプレスがかからず、ラインもバラバラで、たったふたりの敵に守備を破られてしまう。左SBの杉岡大暉がラインを上げ切れず、マークも外して失点。さらに勢いを与えて押し込まれ、2点目も奪われることになった。軽率な立ち上がりだったと言えるだろう。
 
 日本は厳しい戦況になったが、しかしここから、本領を発揮した。
 
 MF堂安律を中心に、イタリアを上回る技量を見せる。堂安はギャップに入ってボールを受けると、相手を手玉に取った。コンビネーションを使って崩すだけでなく、2点目はひとりで持ち込んで決めている。原、市丸瑞希のボランチも、安定したプレーメイキングを見せた。
 
 日本の選手の技量が高いことは間違いない。問題は、強い相手やギリギリの場面で、その技術を出せるか、だ。そこをクリアできたら、世界で怖い相手はいない。
 
文:小宮 良之
 
【著者プロフィール】
こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『おれは最後に笑う』(東邦出版)など多数の書籍を出版しており、今年3月にはヘスス・スアレス氏との共著『選ばれし者への挑戦状 誇り高きフットボール奇論』(東邦出版)を上梓した。
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