レジェンドの軌跡 THE LEGEND STORY――第22回・ベルカンプ(元オランダ代表)

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サッカーダイジェストWeb編集部

2017年05月18日

98年フランスW杯で披露した、歴史に残る劇的な決勝美技弾

W杯に2回、EUROには3回出場。メジャーイベントでは25試合出場10得点という成績を残したが、数字以上の強い印象をどの大会でも残した。 (C) Getty Images

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 得点力抜群であり、チャンスメイクにも長ける歴史的なオフェンシブプレーヤー。天才ならではの、難しいプレーを簡単に見せてしまう彼は、CFもウイングもMFもこなせたが、セカンドストライカーとして最も力を発揮した。

 前述のような輝かしいタイトル歴もさることながら、人々がこの稀代のファンタジスタとともに思い出すのは、彼が残した数々の技巧的なプレー、そしてゴールだ。アーセナル時代の2002年、ニューカッスル戦で見せた反転トラップからの一撃は、サッカー界の伝説である。

 技術と創造性だけでなく、状況に応じて無駄なく、最も効率の良いプレーができるからこそ、結果的に幻想的なゴールを生み出せる。そんなベルカンプは、オランダ代表としても多くの記憶に残るプレーを披露した。

 U-21代表としてもプレーした経歴を持つ彼が、初めてA代表に招集されたのは1990年9月26日のイタリア戦。その2か月後にはギリシャ戦で初ゴールを記録し、2年後、期待の若手として、スウェーデンで開催されたEURO92に出場した。

 彼にとって初めてのメジャーイベントは、4年前の大会で初の欧州制覇に大貢献し、ミランでも一世を風靡したルート・フリット、マルコ・ファン・バステン、フランク・ライカールの3人が、最後に揃って出場した大会でもあった。

 前回優勝メンバーが多く残り、そこにベルカンプら、若い才能が融合したチームは優勝候補の一角であり、準決勝まで駒を進めたが、伏兵デンマーク(優勝)にPK戦の末に敗れ、連覇の夢は潰えた。

 しかし、ベルカンプにとっては得るものが非常に多い大会となった。グループステージ初戦のスコットランド戦では決勝点を挙げ、ドイツ戦、デンマーク戦でも1点を挙げた彼は、いきなり得点王に輝いたのである(他に4名)。

 一躍、オランダの攻撃に不可欠な存在となったベルカンプは2年後、今度は初めてのワールドカップに臨む。グループステージ最終戦のモロッコ戦でW杯初得点を記録すると、決勝トーナメント1回戦のアイルランド戦で2試合連続となる先制ゴールを挙げる。

 そして大会屈指の好カードとなった準々決勝のブラジル戦、オランダは63分までに2点をリードされるも、その1分後にベルカンプが追撃のゴールを挙げる。スローインを受け、軽くDF1人をかわして、角度のないところから余裕でゴールネットを揺らした。

 その後、自身の突破からCKを獲得し、これをアーロン・ヴィンター決めたことでオランダは試合を振り出しに戻す。最後はブランコの強烈なFKを食らって敗れたものの、後に優勝するブラジルを最も苦しめたとして、オランダは人々の記憶に残るチームとなった。

 この一戦でのゴールはベルカンプの巧さを感じさせる非常に印象深いものだったが、それ以上のインパクトを放つものが、4年後のフランス大会で生まれた。準々決勝アルゼンチン戦のことだ。

 1-1で迎えた89分、F・デブールの浮き球のロングパスをジャンプしながらつま先でトラップしたベルカンプは、着地すると同時にすかさずボールをコントロールしてマーカーをかわし、アウトサイドで劇的な決勝ゴールを決めたのである。

 この美技は、前述のニューカッスル戦のゴールと合わせてベルカンプのトレードマークにもなっている、サッカー史上に残る極上のエンターテイメントだった。

 こうして98年は準々決勝の壁を突破したオランダだったが、準決勝ではまたもブラジルに行く手を阻まれる。このカードはフランス大会においても、最もハイレベルな試合といわれたが、オランダが涙を飲んだ点も変わらなかった。

 ベルカンプはEUROでは、92年大会の他、96年イングランド大会(準々決勝敗退)、自国開催(オランダとベルギーの共催)の2000年大会(準決勝敗退)に出場したが、やはり栄冠に手は届かず。96年は1ゴール、そして2000年はノーゴールに終わった。

 2人の数的優位を得て圧倒的に攻めながらもイタリアに守り切られ、PK戦の末に敗れた失意のEURO2000準決勝を最後に、ベルカンプは代表を引退。最終成績は79試合出場37得点(歴代4位)だった。

 そしてクラブレベルにおいても、06年、37歳で現役生活に幕を下ろす。キャリアの絶頂期を過ごし、そして最後の時を迎えたアーセナルでの11シーズンでは、315試合で87ゴールを記録した。

 ベルカンプといえば、飛行機嫌いとして知られ、欧州のなかではどんなに距離があっても車で移動したという逸話を持つ。

 引退直後は、指導者としての現場復帰を否定していたが、08年からはアヤックスやオランダ・サッカー協会のスタッフとして指導に従事したり、ベンチに座ったりし、現在は自身のキャリアの原点であるアヤックスで、若い選手たちの成長を見守っている。

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