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【小宮良之の日本サッカー兵法書】U-20W杯開幕を前に思う。何をもって“若手”とするか――

カテゴリ:連載・コラム

小宮良之

2017年05月17日

若手の特権は21歳で終わるが、鋭気こそが若手たらしめる要素

ドンナルンマ(写真)のように、クラブではトップチームの主力として活躍し、すでにA代表にも名を連ねている十代選手もいるが、全ての選手がそうでなければいけないということではない。成長のスピードや度合いは人それぞれである。 (C) Getty Images

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 U-21欧州選手権を23歳で終えた場合、翌年の五輪(23歳以下の年齢制限が設けられている)にはオーバーエイジ枠を使用しない限り、出場することはできない。
 
 そのため、欧州では五輪に対するプライオリティーは著しく低いと言える。出場するチームはもちろんメダルを狙うものの、選手の出場に対する意欲は弱い。なぜなら、23歳(3人はそれ以上)という「大人」として戦う大会を重要視していないからだ。
 
 21才は、若手と大人の境と言えるのだろう。そこからは、実戦で鍛えられる必要がある。言い訳は許されない。 
 
 今シーズン、世界王者であるレアル・マドリーのBチーム、カスティージャが2部昇格に失敗している。この結果、来シーズンは多くの選手が放出される流れになった。
 
 アレイシ・フェバス、マリオ・エルモソ、アブネル・フェリペ、クリスティアン・セドレス、フィリップ・ラインハルト、ニコス・ベルゴスら主力は、いずれも今年21歳。トップチームに昇格する実力はないが、2部Bリーグ(実質3部)では「22才からは袖も丈も短くなる」といったところか。
 
 繰り返し言うが、若手と大人の境界線は、一概に決められない。個人差があって、老成するタイプは、25歳まで鳴かず飛ばずということもある。しかし、若手の特権は21歳で終わりなのだろう。
 
「失うものがない」
 
 その鋭気こそが、選手そのものだと言える。彼らはそのエネルギーによって、時代に打って出られる。
 
 そのエネルギーを5月20日以降、韓国でどれだけ感じられるだろうか。U-20W杯は、間もなく開幕する。
 
文:小宮 良之
 
【著者プロフィール】
1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『おれは最後に笑う』(東邦出版)など多数の書籍を出版しており、2017年3月にはヘスス・スアレス氏との共著『選ばれし者への挑戦状 誇り高きフットボール奇論』(東邦出版)を上梓した。
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