【甲府】「崩し切ろうなんて思ってない」最下位候補筆頭のJ1処世術

カテゴリ:Jリーグ

大島和人

2017年05月08日

結果を悔しがるのは当然だが、そこから甲府に合わない課題を引き出してはならない。

磐田戦では負傷離脱していたウイルソン(9番)が4試合ぶりの復帰。今後は堀米(11番)とともに、再び2トップを組むことになりそうだ。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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 小椋がさらに磐田戦を振り返る。
「相手が出てこなくなって、ブロックを作られていた。間にパスを出していければいいですけど、今はそんな力がない。逆に入れて奪われてカウンターというのが最悪なので、やることは限られてくる」
 
 甲府がポゼションを放棄したチームという意味ではない。3週間前の7節・新潟戦(0-2)に比べると、持った時の手詰まり感はなく、悪い奪われ方も減っていた。吉田監督も「あんなトレーニング通りに試合をしてくれて、監督として文句をつけるところはない」と述べるように、甲府基準で考えればボールの動かし方は最高レベルだった。
 
 しかし「空いているスペースを効率的に突く」ことと「完全に引いた相手を崩す」ことは同じようで違う。しっかり揃った相手のブロックに正面から侵入することは得策でない。
 
 甲府は開幕からの10試合を3勝4分け3敗の12位で終えた。後半ロスタイムに同点弾を決められた1節・G大阪戦(1-1)と6節・川崎戦(1-1)や、後半ロスタイムのPK失敗で勝点を落とした2節・鹿島戦(0-1)など“取りこぼし”が多い。
 
 繰り返すが「決め切る力」「したたかさ」の不足を指摘することは簡単だ。しかし甲府が開幕前に最下位候補の筆頭だったチームという立ち位置を考えれば、この経過は上々。持てるボールは持てばいいし、突けるスペースは突けばいいのだが、手段と目的をはき違えるべきでない。結果を悔しがるのは当然だが、そこから甲府に合わない課題を引き出してはならない。
 
 できることをやる。できるようになる可能性があるなら努力を積む。でも今できないことはやらない――。突き詰めるとそれが甲府の生きる道だろう。
 
取材・文:大島和人(球技ライター)
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