人種差別被害で“試合放棄”のムンタリ「サポーターよりも主審に怒っていた」

カテゴリ:ワールド

サッカーダイジェストWeb編集部

2017年05月01日

カリアリ副会長は否定もモンキーチャントがあったのは明らか。

敵サポーターを必死になだめようとしたムンタリだが、その想いは届かず……。イタリアの人種差別問題はいまだ根深い。(C)Getty Images

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 ペスカーラのズデネク・ゼーマン監督は、ムンタリが勝手にピッチを立ち去ったことに苦言を呈しつつ、「我々は騒いでばかりで水に流している。人種差別のことはだいぶ騒がれてきたが、今日も長年に渡ってイタリアでプレーしてきたムンタリにこういうことが起きた。メンタリティーが変わることを願う」と嘆いている。
 
 一方、カリアリのステーファノ・フィルッキ副会長は、ベンチから人種差別チャントは聞こえなかったと主張。「カリアリのサポーターは人種差別主義者ではない。それは我々のチーム構成や歴史、伝統が示しているだろう。もちろん、クラブはどんな形であっても人種差別や暴力を強く非難する」と述べるに止まった。実際の試合映像を見る限り、いわゆるモンキーチャントがあったのは明らかだが……。
 
 ちなみに、カリアリでの人種差別問題は初めてのことではない。2010年にはインテルに所属していた元カメルーン代表FWのサミュエル・エトー(現アンタルヤスポル)が「標的」にされ、このときは主審が試合を中断した。当時、ムンタリはインテルに所属していた。
 
 また、ムンタリはミラン時代にも人種差別問題に直面している。2013年の練習試合中に、ガーナ代表MFのケビン=プリンス・ボアテング(現ラス・パルマス)が試合を放棄した事件だ。
 
 他にも、セリエAでは近年もナポリDFのカリドゥ・クリバリやローマDFのアントニオ・リュディガーら黒人選手たちが人種差別の被害を受けてきた。ガーナ移民としてイタリアで生まれたニースFWのマリオ・バロテッリが、繰り返し差別に言及しているのは周知の通りだ。
 
 試合放棄の是非は、差別の被害を受けている選手たちの間でも意見が分かれるデリケートな問題だ。しかし、イタリアにおいて人種差別がかなり根深いのは事実。撲滅に向けて、早急な対応が求められる。
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