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【小宮良之の日本サッカー兵法書】監督は戦術のディテールを授け、選手はそれを臨機応変に活用せよ

カテゴリ:連載・コラム

小宮良之

2017年04月27日

“組織”として鍛えられていないチームは同じミスを犯して敗れる

最後は選手次第ではあるが、それまでにどれだけプレーの選択肢を与えられるか。監督の果たす役割は大きい。写真はCLバルサ戦後のユーベ、マッシミリアーノ・アッレグリ監督。 (C) Getty Images

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 例えば、Jリーグではいまだに、「オーガナイズ」という指示がベンチから飛ぶ。組織を作れ、ということなのだろう。意訳すれば、組織を保って修正せよ、ということに違いない。
 
 しかし、組織が崩れていたとして、全員が悪いポジションを取っているということはあり得ないだろう。多くの場合、誰かひとり、もしくは少数が悪いポジションや適当でない身体の向きや角度をとっている。
 
 具体的に修正することがオーガナイズに繋がるわけで、「オーガナイズ」という指示自体には何の意味もない。むしろ、全体に混乱を招く。正しいポジションを取っている選手が、そうでない選手のために動き直す。それによって、組織はさらに破綻するからだ。
 
「オーガナイズ」
 
 それを呪文のように使っても、たいていは逆効果となってしまう。だからこそ、指導者にはディテールが欠かせない。
 
 無論、ピッチでプレーするのは選手だ。臨機応変に判断を切り替えるべきは、彼らの役割でもある。
 
 しかし、それをオートマチックに遂行するには、日々の練度が欠かせない。チーム(組織)として鍛えられていないチームは、選手の技量とは別に、集団として同じようなミスを犯し、敗北する。この場合、たとえ勝利したとしても、問題は何も解決されていないのだ。
 
文:小宮 良之
 
【著者プロフィール】
こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『おれは最後に笑う』(東邦出版)など多数の書籍を出版しており、2016年2月にはヘスス・スアレス氏との共著『「戦術」への挑戦状 フットボールなで斬り論』(東邦出版)を上梓した。
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