「ミスをしない男」に代わる新たな中心軸として誰を据えるのかが広島の課題。
相手も分かっているから圧力をかけようとするが、森崎和はそのプレスを逆手にとり、ボールを徹底して動かしては自分も微妙にポイントをずらしてまたもパスを受け、時には三次元の空間を使って相手の頭越しのボールを使い、正確極まりないポイントに落として打開する。
背筋が伸び、足もとを見ない。それでもボールを動かす技術に自信があるから、相手は次のパスコースも読めない。広島が誇るボランチのプレーを蝶番(ちょうつがい)として、青山敏弘も千葉和彦も高萩洋次郎(現FC東京)や佐藤寿人(現名古屋)も輝いた。広島の3度の優勝は、森崎和幸が体調を維持し、フルに活躍できたからこそ、成し遂げられたものだ。
そのプレーがあまりに自然で、あまりに何気ないから、周囲は8番の凄さに気がつかない。ベストイレブンにも選出された経験もなく、日本代表にも選ばれていない。しかし、「カズさんの凄さは、一緒にやってみないと分からない」。塩谷司(広島)がよく言う言葉であり、柏木陽介(浦和)も「あんなに上手い人は、昔も今も見たことがない」と語るように、彼の存在は、チームの勝利において極めて重要なのである。
昨年、森崎和が出場したのは24試合(うち途中出場1試合)で平均勝点は1.70。出なかった試合が10試合で平均勝点は1.40。特に浅野拓磨がシュツットガルトに移籍し、ピーター・ウタカ(現FC東京)が疲労もあって得点を量産できなくなったセカンドステージでは顕著で、8番出場時で1.55、不出場時で1.20と明白な数字が出ている。
今年で36歳という彼の年齢もあり、チームは新旧交代を急ぎたい。だが、「ミスをしない男」を中心にサッカーを構築しているなかで、その中心軸に新たに誰を据えるかは、大きな課題である。いったい誰が適任なのか。上手いだけでなく「ドクトル」とペトロヴィッチ前監督(現浦和)が呼び、森保一監督が「ピッチ上の監督」と言うような選手が、広島や浦和の可変型システムを発想し実践したような選手が、そう簡単に現われるはずがない。広島が落ち込んでいる要因のひとつは、まさにそこにある。
背筋が伸び、足もとを見ない。それでもボールを動かす技術に自信があるから、相手は次のパスコースも読めない。広島が誇るボランチのプレーを蝶番(ちょうつがい)として、青山敏弘も千葉和彦も高萩洋次郎(現FC東京)や佐藤寿人(現名古屋)も輝いた。広島の3度の優勝は、森崎和幸が体調を維持し、フルに活躍できたからこそ、成し遂げられたものだ。
そのプレーがあまりに自然で、あまりに何気ないから、周囲は8番の凄さに気がつかない。ベストイレブンにも選出された経験もなく、日本代表にも選ばれていない。しかし、「カズさんの凄さは、一緒にやってみないと分からない」。塩谷司(広島)がよく言う言葉であり、柏木陽介(浦和)も「あんなに上手い人は、昔も今も見たことがない」と語るように、彼の存在は、チームの勝利において極めて重要なのである。
昨年、森崎和が出場したのは24試合(うち途中出場1試合)で平均勝点は1.70。出なかった試合が10試合で平均勝点は1.40。特に浅野拓磨がシュツットガルトに移籍し、ピーター・ウタカ(現FC東京)が疲労もあって得点を量産できなくなったセカンドステージでは顕著で、8番出場時で1.55、不出場時で1.20と明白な数字が出ている。
今年で36歳という彼の年齢もあり、チームは新旧交代を急ぎたい。だが、「ミスをしない男」を中心にサッカーを構築しているなかで、その中心軸に新たに誰を据えるかは、大きな課題である。いったい誰が適任なのか。上手いだけでなく「ドクトル」とペトロヴィッチ前監督(現浦和)が呼び、森保一監督が「ピッチ上の監督」と言うような選手が、広島や浦和の可変型システムを発想し実践したような選手が、そう簡単に現われるはずがない。広島が落ち込んでいる要因のひとつは、まさにそこにある。