「『ボール持ちすぎ』とか。あ、バレてるわって(笑)」。
28歳になった倉田は、伝統のナンバーを背負い、並々ならぬ決意で2017シーズンに臨んだ。
「ホンマ、久々に今年はやらなアカンって感じで、プレッシャーが半端やないですよ。しっかり結果を残さないと、自分の番号にならない。下手なプレーをしたら、一生言われるというか、俺の番号、俺の10番にならんと思うから。一度着けたからにはずっと着けたい。そのためには、みんなに認めてもらえるようにならないと」
その天井知らずのモチベーションがハイパフォーマンスを生み、今季のもうひとつの目標だった日本代表復帰にもつながったのだろう。3月23日のワールドカップ最終予選・UAE戦では、71分から途中出場。2015年夏の東アジア選手権以来となる、国際Aマッチ出場を果たした。
「(代表招集は)やっと来たかって感じでしたね。東アジア選手権のときは、自信はあったけど、いま思えばまだいろいろと足りてなかった。いまは自分でも落ち着きがあると思うし、どんな状況でも焦らない。このタイミングで呼んでもらって、あらためて監督(ヴァイッド・ハリルホジッチ)はちゃんと見てくれてるんやなって感じました。ホンマによう見てますよ。良いとこも悪いとこも。こないだも『ボール持ちすぎ』とか。あ、バレてるわって(笑)」
ガンバでは、それこそ日替わりでさまざまなロールとポジションをこなしている。
2トップの一角を担ったかと思えば、トップ下、インサイドハーフ、さらにはボランチと目まぐるしい。先のJ1リーグ8節・大宮アルディージャ戦では4-4-2システムの2ボランチで、井手口陽介とコンビを組んだ。若き至宝のアジリティーを前面に押し出すべく、みずからは中盤のバランスを第一に攻撃参加を自重し、アンカー然と振る舞っていたのが印象的だった。チームは6-0の大勝。この日は名黒子ぶりが光った。
決して順風満帆とは言えないキャリアのなかで、培われてきた確かなプレービジョン。フットボールIQがすこぶる高いオールラウンダーだ。
「苦労ですか? いやいや僕なんかより苦労してる選手はいっぱいいますよ。まだ恵まれてるほうやないですかね。ポジションは、今季になってよくやってる3ボランチの脇(インサイドハーフ)が一番しっくり来てます。自由に動けるし、ボールに絡めるし。若い頃はアタッカーでの出場が多かったけど、もともとボランチとか捌く役もやれる自信はあったんですよ。いまはどのポジションで出ても、違和感はないかな。自分がすべきことは変わりませんから」
別れ際、この勢いで日本代表でも10番を奪い取ったらどうかと訊くと、「シンジ(香川真司)から?」と言って珍しく大笑いをし、「それくらいの気持ちで頑張りますよ」と答えた。
脂が乗り切ったキング・シュウ。どうやら2017年は、ビッグシーズンとなりそうだ。
取材・文:川原崇(サッカーダイジェストWeb編集部)
「ホンマ、久々に今年はやらなアカンって感じで、プレッシャーが半端やないですよ。しっかり結果を残さないと、自分の番号にならない。下手なプレーをしたら、一生言われるというか、俺の番号、俺の10番にならんと思うから。一度着けたからにはずっと着けたい。そのためには、みんなに認めてもらえるようにならないと」
その天井知らずのモチベーションがハイパフォーマンスを生み、今季のもうひとつの目標だった日本代表復帰にもつながったのだろう。3月23日のワールドカップ最終予選・UAE戦では、71分から途中出場。2015年夏の東アジア選手権以来となる、国際Aマッチ出場を果たした。
「(代表招集は)やっと来たかって感じでしたね。東アジア選手権のときは、自信はあったけど、いま思えばまだいろいろと足りてなかった。いまは自分でも落ち着きがあると思うし、どんな状況でも焦らない。このタイミングで呼んでもらって、あらためて監督(ヴァイッド・ハリルホジッチ)はちゃんと見てくれてるんやなって感じました。ホンマによう見てますよ。良いとこも悪いとこも。こないだも『ボール持ちすぎ』とか。あ、バレてるわって(笑)」
ガンバでは、それこそ日替わりでさまざまなロールとポジションをこなしている。
2トップの一角を担ったかと思えば、トップ下、インサイドハーフ、さらにはボランチと目まぐるしい。先のJ1リーグ8節・大宮アルディージャ戦では4-4-2システムの2ボランチで、井手口陽介とコンビを組んだ。若き至宝のアジリティーを前面に押し出すべく、みずからは中盤のバランスを第一に攻撃参加を自重し、アンカー然と振る舞っていたのが印象的だった。チームは6-0の大勝。この日は名黒子ぶりが光った。
決して順風満帆とは言えないキャリアのなかで、培われてきた確かなプレービジョン。フットボールIQがすこぶる高いオールラウンダーだ。
「苦労ですか? いやいや僕なんかより苦労してる選手はいっぱいいますよ。まだ恵まれてるほうやないですかね。ポジションは、今季になってよくやってる3ボランチの脇(インサイドハーフ)が一番しっくり来てます。自由に動けるし、ボールに絡めるし。若い頃はアタッカーでの出場が多かったけど、もともとボランチとか捌く役もやれる自信はあったんですよ。いまはどのポジションで出ても、違和感はないかな。自分がすべきことは変わりませんから」
別れ際、この勢いで日本代表でも10番を奪い取ったらどうかと訊くと、「シンジ(香川真司)から?」と言って珍しく大笑いをし、「それくらいの気持ちで頑張りますよ」と答えた。
脂が乗り切ったキング・シュウ。どうやら2017年は、ビッグシーズンとなりそうだ。
取材・文:川原崇(サッカーダイジェストWeb編集部)