【コラム】もはや「CLの器」、ルカクはチェルシーに帰還すべきだ!

カテゴリ:ワールド

山中忍

2017年04月17日

ルカクは6年前とは段違いのストライカーに成長。

2011年にアンデルレヒトからチェルシーに加入した際には、巨躯にモノを言わせたプレーが悪目立ちしていたルカク。それが洗練された今が古巣に戻るべき時なのかもしれない。 (C) Getty Images

画像を見る

 オフ・ザ・ボールでの動きやポストプレーも大幅に改善されているルカクは、身体能力に頼っていた6年前のチェルシー加入当時とは異なるFWとなった。ネットを揺らす能力そのものも安定感を増している。

 ここ2シーズンのプレミアで記録した計52ゴール・17アシストは、49ゴール・14アシストのD・コスタを凌いでさえいる。D・コスタに劣る6割台のパス成功率は要改善ポイントだが、周囲のクオリティーがエバートンよりも高いチェルシーでは、「ファン」を自認する本人も取り組みがいがあるはずだ。

 33節のバーンリー戦では、マーカーのマイケル・キーンを背負いながら軽快なタッチとターンで前を向き、すがる相手を力で制しながら咄嗟のトーキックでネットを揺らした。

 ルカクはこれでホームではプレミア9試合連発。エバートンが今夏の獲得を目論む若手CBを手玉に取り、クラブの偉人であるディクシー・ディーンが1932-33シーズンに決めた得点数に並んだわけだ。

 この試合では、ナイトクラブで暴力騒動に巻き込まれたロス・バークリーに対し、「ゴリラ」と揶揄する差別的な記事を掲載したことが原因で、『サン』紙の取材が禁じられていた。しかし、同紙のコラムニストの1人で、元アーセナルFWのイアン・ライトは2月の時点で、「俺が彼の立場なら、チェルシーから声が掛かった瞬間に車のハンドルを握ってロンドンに向かう」と言っていた。

 エバートンの域を超えつつあるルカクに関しては、ライトの意見に筆者は同感だ。

文:山中忍
 
【著者プロフィール】
やまなか・しのぶ/1966年生まれ、青山学院大学卒。94年渡欧。イングランドのサッカー文化に魅せられ、ライター&通訳・翻訳家として、プレミアリーグとイングランド代表から下部リーグとユースまで、本場のサッカーシーンを追う。西ロンドン在住で、ファンでもあるチェルシーの事情に明るい。
【関連記事】
モウリーニョの采配がズバリ的中! マンUがチェルシーに2012年10月以来の勝利
フランスでサポーターがピッチに乱入して選手を襲撃! 試合は中止で、選手らは「恥ずべきこと」と憤慨…
【玉乃淳のクラシコ展望】マドリーが有利! バルサはネイマール欠場でメッシ頼みに…
「常に危険な男」が吉田麻也に競り勝ち20か月ぶりの一撃。マンCに頼れる主将が戻ってきた!
【コラム】モウリーニョの「ラッシュフォード起用法」は正しい! 色眼鏡を外して見れば――

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト 王国の誇りを胸に
    4月10日発売
    サッカー王国復活へ
    清水エスパルス
    3年ぶりのJ1で異彩を放つ
    オレンジ戦士たちの真髄
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 特別企画
    5月1日発売
    プレミアリーグ
    スター★100人物語
    絆、ルーツ、感動秘話など
    百人百通りのドラマがここに!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 完全保存版
    1月17日発売
    第103回全国高校サッカー選手権
    決戦速報号
    前橋育英が7年ぶりの戴冠
    全47試合&活躍選手を詳報!
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ