【ミラン番記者】本田圭佑の「背番号10がベンチ要員」という状況にファンは…

カテゴリ:海外日本人

マルコ・パソット

2017年04月13日

中国人新オーナーは本田を構想外にしている。

今シーズンの総出場時間はここまでわずか95分間。ミラン栄光の10番が背中で泣いている。(C)Getty Images

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 もうひとつミランにとっての朗報は、まるで昼ドラのような幾度にもわたるすれ違いや肩透かしの展開を見せていたクラブ買収交渉が、ようやくまとまりそうなことだ。
 
 シルビオ・ベルルスコーニから中国人投資家ヨンホン・リーへの株式譲渡は、遅くとも現地時間4月14日にはついにやっとクロージングを迎える。ただ、そのためにはリーはアメリカのヘッジ・ファンド会社『エリオット』から3億ユーロ(約360億円)の融資を受けなければならなかったが……。
 
 とにかく、これでやっとミランは前へ進める。31年間に渡るベルルスコーニ時代でミランは29のタイトルを獲得した。新たなオーナーの下でミランはどのような展開を遂げるのだろうか。中国人たちはアジアでのミランの知名度をより高め、ビジネスで得た利益をチームの補強に使うつもりだ。
 
 しかし、先週もこのコラムで語ったように、残念ながら新オーナーのプロジェクトの中に本田は入っていない。選手としても、広告塔しても彼らはこの日本人を使う気がないようだ。
 
 それにしても、本田の下降線は著しい。フットボーラーとして最も成熟した時期を、彼は最悪の形で過ごしている。何しろピッチでプレーする機会そのものが限られているのだ。
 
 今シーズンが閉幕する5月28日、本田のミランでの冒険は終わる。初めてサン・シーロに立った時、本田はもっと別のストーリーを思い描いていたはずだろう。そして多くのミラニスタを怒らせ、失望させた背番号10も、新シーズンからは別の選手が纏うことになる。
 
 ミラニスタはここ数年、酷い内容の試合を見ることも、キャプテンマークが何度も持ち主を変え、時にそれに値しない選手が付けることにも耐えてきた。
 
 しかし、なにより背番号10がベンチから動かないところを見るのは、何にもまして耐え難く感じている。いや、過去のミランでどんな選手がこのナンバーを背負ってきたかを考えれば、耐えがたいというよりは恥ずべきことと捉えている。
 
 ただ、モンテッラはそのことに関しては無頓着のようだ。4-3-3システムを使う彼にとってのトレクアルティスタ(トップ下)はボナベントゥーラとスソ。実際にスソは先日のパレルモ戦でも中央寄り、CFカルロス・バッカの後ろのポジションにいることも多かった。そして、指揮官の期待通り3つの得点に絡む(1ゴール、1アシスト、1つの起点)大活躍を演じたのだ。
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