ジダンも夢中で、移籍金は史上最高額に!? 「フランスの怪童」を巡る狂想曲

カテゴリ:ワールド

ワールドサッカーダイジェスト編集部

2017年03月31日

5年も前からエムバペの動向を追っていたのは?

怪童エムバペの動向を彼がモナコに加入する前から注視しているのは、同郷のレジェンドでR・マドリー指揮官のジダンだ。 (C) Getty Images

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 英国メディア『スカイスポーツ』のインタビューでピレスは、「レアル・マドリーには行くべきではない」とコメント。「凄まじい重圧に晒されるうえ、十分な出場機会を得られる保証もないからね。いまの彼にとってはモナコこそが理想的な環境。少なくともあと2年はモナコに留まるべきだと思う」と続けている。
 
 現時点で、獲得にもっとも熱心だと見られるのがそのR・マドリーだ。
 
 ジネディーヌ・ジダン監督がエムバペを見初めたのは最近の話ではない。この怪童がまだINFクレールフォンテーヌ(フランス・サッカー連盟が運営する13~15歳の育成機関)に在籍していた5年前である。
 
 当時、R・マドリーのスポーツディレクターだったジダンは入団を打診し、エムバペとその両親をマドリードに招待。みずから練習施設を案内し、サンチャゴ・ベルナベウでの試合観戦に伴うほどの熱の入れようだった。しかし、この時は「まだ若すぎる」という理由で、両親が断りを入れたという経緯がある。
 
 ジダンにしてみれば、少なくとも他のクラブに出し抜かれるのは我慢ならないだろう。
 
 実はエムバペ自身はR・マドリーのファンで、クレールフォンテーヌ時代には寮の部屋にクリスチアーノ・ロナウドとカリム・ベンゼマのポスターを貼っていたという。最近も(バルセロナ入団も含めた)スペイン行きについて訊かれ、「僕はモナコの選手」と強調しながらも憧れを隠さなかった。
 
 もちろん、保有権を持つモナコはそう簡単にこの至宝を手放さないだろう。
 
 モナコと言えば15年夏に、10代の選手に対する史上最高額の移籍金でアントニー・マルシアルをマンチェスター・Uに売却した過去がある。当時のマルシアルもやはり、現在のエムバペと同じように主力として一本立ちしようかというタイミングだった。
 
 しかし現在のモナコは、その当時とは異なる強化戦略を打ち出している。高値が付いた選手を躊躇なく売却する従来の姿勢を改め、できるだけ長く主力を留める方針に転換したのだ。テクニカルディレクターとしてチーム強化の陣頭指揮を執っていたルイス・カンポスも、昨夏にクラブを去っている。
 
 そもそも生え抜きのエムバペと、リヨンの育成センター育ちでいわば外様だったマルシアルとでは、同じ放出するにしても決断の“重さ”が違う。クレールフォンテーヌ卒業時に熾烈な争奪戦を制して射止め、15歳の時から手塩にかけて育ててきたエムバペは、クラブにとってはかけがえのない財産なのだ。
 
 それでも報道にあるようなメガオファーが本当に届けば、さすがに拒めないだろう。つまり昨夏にマンチェスター・Uがポール・ポグバ獲得のために費やした、1億500万ユーロ(約126億円)を超える史上最高額の移籍金を打診されればだ。
 
 いずれにせよ、エムバペを巡る“狂想曲”はこれから夏に向けてますますヒートアップしそうだ。
 
文:ワールドサッカーダイジェスト編集部
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