――最初の半年はポジションを取りに行く挑戦者、今シーズンの半年はポジションを守っていく立場に変わったと思います。
 
　自分としては”守っている”感覚はないですね。挑戦しているイメージです。ただ、クラブの立ち位置や戦術が分かっているから、失うものがない立場ではなくなったのも確かです。
 
――よりチームのことが見えてきただけに、考えることが増えたというか……。
 
　そうなんです……でも、正直そんなにチームのことは考えてなくて(笑)。自分が活躍してステップアップしたいという気持ちが一番。ただ、良いプレーをしていても最下位だとなんにもならない。その葛藤はあります。
 
――ＦＷなら30点も取っていればステップアップできるでしょうが、チームが最下位だとＤＦは……。
 
　そうですね。個人成績が見えにくいＤＦにとってはチームの成績が大事ですから。１部クラブのスタッフが試合を見に来てくれればいいけど、チームの成績が良くないとそのチャンスもない。難しいポジションだなと改めて思いますね。
 
　こっちに来たばかりの時って対戦相手の情報がまったくなかったから、なにも分からないなかで恐れずにチャレンジしていたんです。でも、今年は昨シーズンの知識がある。対戦相手の警戒すべき選手や戦い方、クラブ間のライバル関係とか、細かいことが分かってきた。そういう情報は基本的にプラスになるけど、時にはマイナスにも作用する。情報を持ちすぎることによって警戒したりして相手に合わせてしまったりするケースもあるので。
 
――昨シーズンは飛び込めたところが、今シーズンは飛び込めなくなったり？
 
　そうそう。相手の情報がなければ削りに行っている場面でも、ちょっと待ってしまったり。情報が入ったことによる迷いじゃないですけど、そういうのはあるかな。ただ、情報があるのはポジティブなことですからね。それによってスペイン２部に適応してきたかなとも思います。
 
――ＤＦへの評価基準は日本との違いを感じますか？
 
　自分がどう評価されているかは分からないですけど、分かったこともあります。