伸び悩む大迫勇也の得点数。日本代表の鍵を握るストライカーが置かれた現状とは

カテゴリ:海外日本人

寺野典子

2017年03月15日

「追い込まれた状態で逃げのパスばかり。ブンデスでは厳しい」

チームは現在リーグ7位。ELを射程圏内に捉えるものの、ケルンの戦いぶりは芳しくない。(C) Getty Images

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 しかし、1点リードすると、ケルンはまた前半のように消極的なプレーが目立った。ディフェンスラインがボールを奪っても、攻撃が組み立てられない。ボールを失っては相手にカウンターのチャンスを許した。ケルンはチームとしてボールが運べなくなり、69分に同点弾を許すと、その後は反撃の糸口すら見えなかった。
 
「うちはサイドチェンジをしてもそこで詰まって、ボールを失うことが多いから、結果的に真ん中一辺倒の攻撃になってしまう。スローインを含めてもう少し工夫できればとは思っている」と大迫が振り返る。
 
 救いと言えば、逆転弾が決まらなかったことくらいだ。2-2で試合終了。この日のCK数はインゴルシュタット11本に対し、ケルンは0本。いかに押し込まれ、逆に押し込みきれなかったかが、こうした数字からも見えてくる。
 
 昨季のケルンは主に1トップのシステムで戦っていたため、中盤はある意味大迫の定位置だった。しかし、FWであることにこだわる大迫は、中盤でのプレーに積極的ではなかったし、監督に何度もそう直訴していた。
 
「今は試合経験を積むと思って……」と指揮官は大迫を説得したという。そして今季、2トップにシステムが変わると満を持して、大迫は先発の座を掴み、信用と存在感を確固たるものにした。
 
 4、5節の連続ゴール。勢いに乗ったのはチームだけでなく、大迫も同様だった。その後はゴールこそ少ないが、FWでありながら、まるでゲームメーカーのようにパスを引き出し、タメを作り、チームをコントロールしている姿が頼もしかった。
 
 しかし、今回のインゴルシュタット戦は様相が異なった。なかなか大迫にパスが出ない。出たとしても相手DFに何度も潰されてしまう。裏へ抜けてパスを受けようとしたシーンもあったが、大迫の足もとを狙ったパスは短く届かなかった。
 
「(出し手が)追い込まれた状態で、逃げのパスばかりだから、そういうパスだとブンデスでは厳しい。もう少し余裕を持ってプレーしてほしい」と、大迫はチームの現状を説明してくれた。
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