攻撃で圧倒していたチームが攻守両面でイニシアチブを握った意味。
「今日はミーティングの時のオニさんの一言で、『攻守で圧倒する』というのがあって。コーチ時代も言っていたんですけど、どうしてもうちは攻撃で圧倒するチームだった。(課題は)攻“守”というところでしたから。前からも怯まずいって、後ろも前が行ったらついていけと。レイソル自体もあそこまで前からプレスしてくるとは思ってなかったと思う 」攻から守の切り替えを徹底するなかで、とにかくボールを奪いに行く際の鬼気迫った空気感や2度追い、3度追いをするシーンが全体的に際立っていた。
もちろん、中村も最前線でそれを体現し、攻撃時でも長い距離を走ってチャンスを呼び込むシーンがあった。70分に柏・中山雄太の退場を呼び込んだのも、中村の長距離のドリブル突破からだ。「あそこから先はなかったし、ちょっと赤は厳しいと思った」と判定に対する同情も見せ冷静に語るも、結果的にはあそこで迷いなく前進したことでチームを数的優位に持っていけたことは確かだ。
組織としての攻撃面については、流れの中で崩しきってゴールを奪えなかったことに反省を感じている。とはいえ、攻守両面でイニシアチブを握ったこの試合で掴んだ手応えは大きいようだ。
「前半から久々に『すげえな』と思いながらやっていた。ひとつの理想形は見えたかな、と」
再出発をしたチームが完成形に近づくにはまだ時間がかかるし、その中で苦しみながらも勝っていくことは非常に意味がある。このままいけば、これまで築いてきたものとは違った川崎のイメージを、観る者に与えられるかもしれない。
それでも、ただひとつだけ変わらないことがある。やはり等々力競技場に歓喜が生まれる時、その中心には中村憲剛がいるということだ。
取材・文:竹中玲央奈(フリーライター)
もちろん、中村も最前線でそれを体現し、攻撃時でも長い距離を走ってチャンスを呼び込むシーンがあった。70分に柏・中山雄太の退場を呼び込んだのも、中村の長距離のドリブル突破からだ。「あそこから先はなかったし、ちょっと赤は厳しいと思った」と判定に対する同情も見せ冷静に語るも、結果的にはあそこで迷いなく前進したことでチームを数的優位に持っていけたことは確かだ。
組織としての攻撃面については、流れの中で崩しきってゴールを奪えなかったことに反省を感じている。とはいえ、攻守両面でイニシアチブを握ったこの試合で掴んだ手応えは大きいようだ。
「前半から久々に『すげえな』と思いながらやっていた。ひとつの理想形は見えたかな、と」
再出発をしたチームが完成形に近づくにはまだ時間がかかるし、その中で苦しみながらも勝っていくことは非常に意味がある。このままいけば、これまで築いてきたものとは違った川崎のイメージを、観る者に与えられるかもしれない。
それでも、ただひとつだけ変わらないことがある。やはり等々力競技場に歓喜が生まれる時、その中心には中村憲剛がいるということだ。
取材・文:竹中玲央奈(フリーライター)