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【水戸】「自分たちに何ができるのか」。被災地域クラブで戦い続ける細川淳矢の責任感と苦悩

カテゴリ:Jリーグ

広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

2017年03月12日

退場を宣告されても、その場をなかなか動こうとせず…。

3バックのリベロとして、いまや水戸では不可欠な選手のひとりとなった細川。チームの飛躍のためにも、さらなる活躍が期待されている。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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 年月が経つにつれて、着実に復興が進む一方で、震災が風化される恐れもある。それだけに、細川のような想いでピッチに立って戦う選手は、ひとりでも多くいたほうがいい。
 
 もっとも、今回の東京V戦は、細川からすれば悔しさが残るゲームとなってしまった。29分と54分にイエローカードを提示されて、退場処分に。
 
 試合開始から、東京Vのドウグラス・ヴィエイラやアラン・ピニェイロとの肉弾戦に、一歩もひるむことなく、激しくやり合った。その姿勢が、今回は裏目に出てしまった格好だ。
 
 退場を宣告された細川は、その場をなかなか動こうとしなかった。レフェリーに何度か促され、ようやくタッチラインへと向かう。歩くスピードはゆっくりだ。
 
「本当に、試合に出ていたかった。もっとやれたのにって、悔しくて、後悔しかなくて」
 
 想いだけでは伝わらない。実際にプレーしなければ意味がない。戦う姿勢を、少しでも長く見せたかった。
 
「僕のことを応援してくれる仙台の人たちもいるんです。そういう人たちにも、届けたかったんですけどね……」
 
 最終ラインの要としても、退場したことを猛烈に反省している。細川がピッチを去ってから、0-1で負けていたチームはさらに3失点。「後半の入りは良かった。そこで自分が退場したことが、試合を壊した一番の理由」と、0-4の大敗に強い責任を感じている。
 
 それでも、下を向いている暇はない。戦う姿勢を見せること、一生懸命にプレーすることで、見てくれている人に勇気を与える。それが細川に与えられた使命だから。
 
「今回はこういう結果になりましたけど、俺、心は全然、折れていないです。次に向かって、チームのためにやっていくだけです」
 
 水戸を熟知する馴染みの記者が教えてくれた。「細川は外せないんですよ。彼自身もプレーヤーとして、今すごく充実していますから」。
 
 6月には33歳を迎えるが、まだまだ老け込む歳ではない。チームの勝利のために、そして復興のシンボルとして、細川はまだまだ戦い続ける覚悟でいる。
 
取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)
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