【コラム】もう「一発屋」なんて呼ばせない! ケインが3年連続で20得点の大台目前

カテゴリ:ワールド

山中忍

2017年03月06日

「異才」ケインに贈られたサポーターの愛あるチャント。

2010年にトップチームに昇格後、レイトン、ミルウォール、ノーリッジ、レスターなどをレンタルで渡り歩いてきた苦労人でもあるケイン。そんな下部組織出身のFWにサポーターの愛も深い。(C) Getty Images

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 試合終盤にはハットトリックのチャンスもあった。惜しくも相手GKに防がれたが、この時のシュートは、タップインやヘディング、ミドル、ボレー、FKなど豊富なフィニッシュ・バリエーションを持つことを体現するようなチップキックだった。
 
 また、ヒーローインタビューでも「3点目を逃した」と悔しそうだった貪欲さがあればこそ、今シーズン4度目のハットトリックに迫ることができたとも言えるだろう。
 
 1週間で2度のハットトリックを決めた(カップ戦含む)2月後半には、「手がつけられない」と言われ、今節でも解説者を務めたジェイミー・レドナップに「異才」と評されたケインだが、そろそろメディアの一喜一憂には終止符が打たれるべきだ。
 
 生え抜きエースの実力を信じて疑わないトッテナム・サポーターたちは、そんなケインがエバートンから2点目を奪った後に、こんなチャントを歌っていた。
 
「He's just a one season wonder!(彼は単なる1シーズン・ワンダーさ!)」
 
 トッテナム・サポーターは外野(メディア)への皮肉とケインを擁することの誇りを込めて、愛のあるそんな歌を響かせていた。
 
文:山中忍
 
【著者プロフィール】
やまなか・しのぶ/1966年生まれ、青山学院大学卒。94年渡欧。イングランドのサッカー文化に魅せられ、ライター&通訳・翻訳家として、プレミアリーグとイングランド代表から下部リーグとユースまで、本場のサッカーシーンを追う。西ロンドン在住で、ファンでもあるチェルシーの事情に明るい。
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