【名古屋】初陣で見せた“風間グランパス”の可能性。理想形にはまだ遠くとも――

カテゴリ:Jリーグ

本田健介(サッカーダイジェスト)

2017年02月27日

攻撃の質の向上は今後の課題に。

選手たちを見守る風間監督。1年でのJ1昇格へ、まずは大きな一歩を踏み出した。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

画像を見る

 その攻撃に関するパス回しについては指揮官が「百戦錬磨の別格の選手」と評し、いち早く“風間スタイル”に順応した佐藤、玉田も指摘する。
 
「攻撃の回数と質をより求めたい。チャンスは作ったが、今日は満足のいく質ではなかった。そこを高めていきながら結果を残したい」(佐藤)
 「連動してというか、効果的なパス回しができなかった」(玉田)
 
 ふと思い出せば、昨季まで風間監督が指揮をした川崎で主軸として働いた中村はこんな話をしていたことがある。
 
「うちは決まったパターンがないので、アドリブでやっている部分が多い」
 
 要するに選手たちがイメージを共有しながら、その時々のシチュエーションに合わせてパスをつないでいくのが風間流ということだ。それは崩しに関わる人数が増えれば増えるほど難易度が増す。どこかで少しでもズレが生じれば、即座に機能不全に陥るからだ。だからこそ風間監督のサッカーは“難しい”と選手たちは口を揃える。
 
 局面で瞬時に同じ絵を描けるようになるためには、何度も感覚を擦り合わせていくしかない。それは時間のかかる作業だ。実際に岡山戦のゴールも櫛引のパスカットから永井が素晴らしいボレーを決めた1点目、和泉のカットインからラストパスを受けた永井が冷静に決めた2点目と、パスワークで崩したものではなかった。
 
 もっとも、風間監督が掲げる“観客を魅了するサッカー”が理想形に近づけば、どんな守備網も打ち破る最強の矛となるのは確かだ。その歩みには大いなる期待を抱いてしまう。少なくとも開幕戦の名古屋の戦いを見て、今年のJ2は面白くなると確信が持てた。
 
 今後は他クラブからの執拗なマークに苦しむかもしれない。それでも、信念を貫いた先にどんな結末が待ち受けているのか、興味深く見守りたい。
 
取材・文:本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
 
【関連記事】
【名古屋】瑞穂のピッチに舞い戻った玉田圭司。前半のみのプレーも「幸せだった」
【名古屋】2度の決定機を外した佐藤寿人。それでも新ポジションに手応え
【名古屋】新エース誕生の予感。永井龍が“歴史に残る”2ゴールを突き刺す
【J2採点&寸評】名古屋×岡山|永井が圧巻の2ゴール! “風間グランパス”が苦しみながら初陣を制す
【横浜FC】まさにキング・カズ狂騒曲「泣きそうになっちゃいましたよ」

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト ガンナーズを一大特集!
    5月2日発売
    プレミア制覇なるか!?
    進化の最終フェーズへ
    アーセナル
    最強化計画
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ