アーセナルが進歩するためにも……。
今後、ヴェンゲル一行を待ち受けているのは、プレミアリーグ27節のリバプール戦、CL16強セカンドセグのバイエルン戦と続く3月初旬の連戦だ。この中4日の日程のなかで行なわれる強豪との対戦を腑甲斐なく負けるようなことがあれば、退任要求を唱えるファンの数が激増しかねない。
元アーセナルFWで、現在は『テレグラフ』紙で記者を務めるアラン・スミスが、「ここで今シーズン限りで退任の発表があれば、一気にヴェンゲルへの感謝の念で胸が満たされるファンの団結力がチームを後押しするだろう」と期待を寄せるのも無理はない。
ヴェンゲルがアーセナルのみならず、イングランド・サッカー界全体への功績が讃えられるべき偉人であることに疑いはない。足下で繋ぐスタイル、選手の栄養管理、頭を使う練習メニュー、モダンな専用トレーニング施設、健全経営に不可欠な育成重視など、先見の明を持っていたプレミアリーグ稀代の名将だ。
だからこそ、今シーズンを以て身を引く勇断が望まれる。この先、アーセナルが国内外で頂点を目指して進むために。
文:山中忍
【著者プロフィール】
やまなか・しのぶ/1966年生まれ、青山学院大学卒。94年渡欧。イングランドのサッカー文化に魅せられ、ライター&通訳・翻訳家として、プレミアリーグとイングランド代表から下部リーグとユースまで、本場のサッカーシーンを追う。西ロンドン在住で、ファンでもあるチェルシーの事情に明るい。
元アーセナルFWで、現在は『テレグラフ』紙で記者を務めるアラン・スミスが、「ここで今シーズン限りで退任の発表があれば、一気にヴェンゲルへの感謝の念で胸が満たされるファンの団結力がチームを後押しするだろう」と期待を寄せるのも無理はない。
ヴェンゲルがアーセナルのみならず、イングランド・サッカー界全体への功績が讃えられるべき偉人であることに疑いはない。足下で繋ぐスタイル、選手の栄養管理、頭を使う練習メニュー、モダンな専用トレーニング施設、健全経営に不可欠な育成重視など、先見の明を持っていたプレミアリーグ稀代の名将だ。
だからこそ、今シーズンを以て身を引く勇断が望まれる。この先、アーセナルが国内外で頂点を目指して進むために。
文:山中忍
【著者プロフィール】
やまなか・しのぶ/1966年生まれ、青山学院大学卒。94年渡欧。イングランドのサッカー文化に魅せられ、ライター&通訳・翻訳家として、プレミアリーグとイングランド代表から下部リーグとユースまで、本場のサッカーシーンを追う。西ロンドン在住で、ファンでもあるチェルシーの事情に明るい。

ヴェンゲルへの退任要求を盛んにするようになったアーセナル・ファン。クラブを立て直してくれた存在だからこそ、彼らはフランス人指揮官が落ちぶれる姿を見たくないのだろう。 (C) Getty Images