「50歳」になったロベルト・バッジョ、近況とサッカー界復帰の可能性とは?

カテゴリ:ワールド

片野道郎

2017年02月19日

イタリア・サッカー連盟を去った理由とは?

最近のサッカー界への関わりはチャリティーマッチなどへの出場のみ。2014年9月にはマラドーナとも共演した。(C)Getty Images

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 サッカー界に復帰する機会がなかったわけではない。2010年夏には、南アフリカ・ワールドカップでのグループステージ敗退を受けたFIGC(イタリア・サッカー連盟)の大規模な人事改革を受けて、技術セクションの総責任者に就任。同部門の改革に取り組もうとしたこともあった。
 
 FIGCの技術セクションは、実質的には指導者養成部門という位置づけになっている。フィレンツェ郊外にあるコベルチャーノのFIGCテクニカルセンターに本拠を置き、選手と監督の育成にかかわるトレーニング/ティーチングメソッドの研究、指導者ライセンス講習を行なう監督学校の運営が主な業務だ。
 
 実質的な支配権を握っているのは、監督学校のトップでイタリア監督協会会長でもあるレンツォ・ウリヴィエーリ。バッジョを招聘するアイデアも、ボローニャ時代の監督だったウリヴィエーリのものだった。
 
 そのウリヴィエーリが望んだのは、自らが実権を握った上でバッジョがセクションの「顔」としての役割を務めること。しかしバッジョ自身は、長年の片腕であるマネジャーのヴィットリオ・ペトローネと共に半年を費やして作成した、技術セクションの職域を大きく超え予算も数倍を要する独自の改革案を持ち込むなど、本気でFIGCの改革に取り組もうという姿勢を見せた。
 
 問題だったのが、この取り組みがFIGCの首脳陣はもちろん、技術セクションの幹部たちに対する根回しもないまま、バッジョとそのスタッフによって独自に進められたこと。しかも、改革案の中に柱のひとつとして盛り込まれた「イタリア中の育成年代選手のモニタリングとスカウティング」という業務は、本来別のセクション(クラブ・イタリア)が行うべきものだった。
 
 翌年の春に提出されたバッジョの改革案は、理想に満ちてはいたものの実行に移すには予算的にも領域的にも現実性に欠けたものだったと言われ、FIGC内部には困惑しかもたらさなかった。「実施の可能性を検討する必要がある」という名目ですぐに棚上げされる結果となったのは、ある意味で避けられない。バッジョはそれ以降、最低限の頻度でしかコベルチャーノに姿を見せなくなり、2013年1月には自ら技術セクション責任者の座を辞すことになる。
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