【蹴球日本を考える】極寒の大阪でマレーシアの人々とガンバ戦を観戦して感じたこと

カテゴリ:連載・コラム

熊崎敬

2017年02月08日

「とにかく寒かったし、ガンバはちょっと強すぎた」

JDTサポーターの面々。右からふたり目がハクさん。写真:熊崎 敬

画像を見る

 さて、試合はご存知の通り、G大阪が格の違いを見せつけ、3-0で快勝した。JDTは自陣から丁寧につなぐサッカーを最後まで貫いたが、守備ではG大阪のテンポについていけず、あっさりとゴールを失うことになった。
 
 ひと言でいえば完敗。だが、常夏の国からやって来たサポーターたちは、極寒の中でも上半身はだかになって「俺たちは死ぬまでJDT!」、「赤と青、俺たちのすべてを捧げる!」と叫び続けた。チームが劣勢でも自分たちだけは怯むまいと気勢を上げ、自慢のレパートリーを歌い切った。
 G大阪サポーターのみなさん、彼ら彼女たちの声はちゃんと届いたでしょうか?
 
 JDTの冒険は、真冬の大阪で終止符が打たれた。だが、彼らは着実に成長している。ACLに初出場した2015年は、予選1回戦でインド勢を相手に大苦戦していたが、それから2年で本大会の一歩手前まで勝ち上がってきた。
 
 試合後、ハクさんは「いやあ、とにかく寒かったし、ガンバはちょっと強すぎた」と話したが、「でも、僕らはできることをやった」と清々しい表情を浮かべていた。
 アジアのトップは遠いものの、成長の手応えが確実にある。これは何よりも嬉しいことだろう。
 
「ジョホールバルの奇跡」の頃、僕たち日本サッカー界は世界に打って出ることに興奮していた。それをいま、JDTのみんなが感じているのかもしれない。
  また近い将来、どこかのスタジアムで会うことになりそうだ。

取材・文:熊崎 敬(スポーツライター)
【関連記事】
【蹴球日本を考える】強敵との連戦で容量を増やした鹿島。とりわけ顕著だった昌子の対応力
【G大阪】新システム機能の陰に今野泰幸あり。「出し惜しみ」していた力を開放した先には……
【ACLプレーオフ|採点&寸評】G大阪×ジョホール|新システム採用のG大阪が3得点で本戦へ。熟練の技が光った今野がMOM
【名古屋】前アジア王者に完敗も風間監督は独自の見解 “やって失敗した選手”はOK!
【名古屋】広州恒大戦で佐藤寿人が意地の一発 1-6惨敗には「上に行くためには話にならない」と愛ある喝

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト 2026年1月号
    12月12日(金)発売
    [特集]
    9年ぶりのJリーグ制覇
    鹿島アントラーズ
    鬼木体制で果たした「王座への帰還」
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 2025年12月18日号
    12月4日(木)発売
    [特集]
    25-26 欧州リーグ前半戦レビュー
    冬の通信簿
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 第104回大会 選手名鑑
    12月10日発売
    高校サッカーダイジェストVol.43
    第104回全国高校サッカー選手権大会
    選手権名鑑
    出場48チーム
    1440選手の顔写真&プロフィールを徹底網羅!
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ