【現地発】柴崎岳のテネリフェでの主戦場、デビュー日は?

カテゴリ:海外日本人

山本孔一

2017年02月07日

生え抜きの10番のポジションを奪えば小さくない議論に?

マルティ監督(右)は柴崎(左)の起用に慎重。焦って出場させる考えはない。写真:DeporPress

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 とはいえ、スソを外した場合には小さくない議論が生まれる懸念があるという。
 
 キャプテンマークを巻き10番を背負う現在31歳のスソは、クラブが本拠を置くサンタ・クルス市から直線距離で5km強の隣町サン・クリストバル・ラ・ラグーナ出身。地元出身の生え抜きは2012年夏の復帰以降、スピードを利した突破力で右サイドの主としてチームを牽引してきた1人である。
 
 今シーズンもここまで全試合でスタメン出場を飾っている通り、まさにテネリフェの重鎮。簡単には先発から外せない、いわばアンタッチャブルな存在だ。
 
 とはいえ、今シーズンのパフォーマンスはお世辞にも褒められたものではないとのこと。人気選手とはいえサポーターは辛辣で、「スソは歩いているだけの選手」という揶揄だけではなく、「キャプテンの代わりに柴崎を起用したほうが楽しみは増える」という声も、試合後のスタジアム周辺では挙がっていた。
 
 とはいえ、地元メディアがロッカールームへの影響などを鑑みてその扱いに慎重な姿勢を見せてきた通り、スソを外すという選択は簡単に下せるものではないだろう。
 
 これらのチーム状況、そしてホセ・ルイス・マルティ監督の「サイドより中央の方が生きる」というコメントを踏まえると、4-2-3-1のトップ下が柴崎の主戦場になる可能性が高いか。
 
 このシステムであれば、主力であるアーロン、スソとの共存も十分に可能で、日本人MFが期待されているタレントをしっかりと発揮できれば、チームの攻撃力アップに貢献できるだろう。
 
 気になるデビュー戦だが、マルティ監督は「焦らずしっかりとしたコンディションでデビューさせたい」という考えを持っている。そもそも欧州初挑戦で言葉の問題もあるし、注目度が桁違いに高いからだ。
 
 柴崎の一挙手一投足を見守っているのは日本メディアだけでなく、地元のサポーターとメディアが同等もしくはそれ以上に日本人MFに注目している。安易に起用し、即座に「失格」の烙印を押されるのを避けたいのだろう。
 
 よって、今週末(2月12日)のバジャドリー戦(アウェー)という可能性もゼロではないが、現状では18日のアルメリア戦(ホーム)が柴崎のテネリフェ・デビュー日の有力候補だ。
 
「レアル・マドリーから2ゴール」の触れ込みもあって、永遠の春の島で開演した日本人狂想曲の序曲は、盛大な盛り上がりを見せた。柴崎がピッチ上で奏でる組曲(プレー)が素晴らしいものになるとの期待が島には溢れており、その幕(デビュー)が早く上がること、そして前評判通りの素晴らしいものになることを、テネリフェの誰もが期待している。
 
取材・文:山本孔一
 
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