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【選手権】青森山田、20日間で5千キロ超のバス移動。順当すぎる勝ち上がりの裏に黒田監督の絶妙なマネジメント

カテゴリ:高校・ユース・その他

小林健志

2017年01月05日

「彼らは自ずと分かっていると思います」。選手に信頼を置く指揮官。

1995年から青森山田を率いる黒田監督。初の選手権制覇まであと
ふたつと迫った。写真:浦 正弘

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 それでもチームは順調に勝ち上がってきたが、正智深谷戦に関しては「思った以上に身体が重かったです。チャンピオンシップからの疲労も見える試合でした。良くないながらに点も入っていったのですが、さらに悪くなりマンネリ化したサッカーになりました」と黒田監督が振り返った通り、シュート数は青森山田5本に対し、正智深谷6本と下回っている。
 
 スローインから2得点、そしてオウンゴールと効率良く点は取れたが、決定機も多くは無かった。そして今大会初の失点に関しても「無失点優勝を目標に掲げていたのですが、警戒心・危機感・継続力といった我々がプレミアリーグでずっと培ってきたことが緩んだ瞬間がピッチの中でいろんな角度で見えてきました」と、内容には決して納得をしていなかった。
 
 しかしながら、黒田監督の表情には今大会中どこか柔らかさを感じる。かつては内容が悪かったり、不用意な失点があったりすると、さながら勝負の鬼という表情とともに厳しい口調で選手の評価を下すこともあったが、正智深谷戦での内容に関しては「選手たちにもそういう話(内容が良くないという話)をしたらそれは分かっていたので、良い教訓、刺激をもらいながら次の埼スタに向かえることを逆にポジティブに捉えてやっていかなければなりません。連戦なので良い試合も悪い試合もあります」と落ち着いて語る姿には、高円宮杯チャンピオンという偉業を成し遂げた選手たちへの信頼を感じ取れた。
 
「年間通じて青森山田のサッカーがどういうものか、どういうことをしたら勝利を勝ち取ることができるのか、彼らは自ずと分かっていると思います」
 もはや何をすべきなのか、一から選手に諭す必要はないと黒田監督は捉え、自身も落ち着いているからこそ、どこか表情が柔らかく見えるのだろう。
 
「次はもっと青森山田らしいサッカーに変えられるよう準備したい」という黒田監督。
「Jユースチーム、高体連で通用したもの、身体で覚えているものをどれだけ体現できるか。あとはコンディション、メディアや観客が作り出す雰囲気に動揺することなく落ち着いて平常心で自分たちのサッカーができるように、試合に入れられたら良いと思います」
 
 監督同様、選手も平常心を保ち、良いメンタリティで試合に向かうことができれば、頂点にたどり着く可能性は高いだろう。黒田監督の絶妙なチームマネジメントで青森山田は優勝へとひた走る。
 
取材・文:小林健志(フリーライター)
 
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