ペップはマンCをどう変えたのか? ピッチ内外の「改革」に迫る

カテゴリ:メガクラブ

松澤浩三

2017年01月05日

ハードトレーニングがシーズン序盤の快進撃の基盤に。

インテンシティーの高いトレーニングによって選手たちは見違えるような肉体を手にした。スターリング(中央手前)もキレが増した。(C)Getty Images

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 ピッチ内外での成功を目指すシティにとって理想の指揮官は、突出した実績と戦術的柔軟性、そして抜群のブランド力とカリスマ性を備えたペップをおいて他になかった。
 
 バルセロナのトップチーム監督に就任した際にペップは、選手との対話を重視してハードワークの重要性を説き、さらに若手の積極登用を推進してセルヒオ・ブスケッツやペドロ・ロドリゲスをトッププレーヤーに育て上げた。
 
 そして、「バルサ流の攻撃的なパスサッカーで地球上最強のチームを作り上げる」という野望を掲げ、これを成し遂げたのだった。
 
 翻ってシティではどうか。もちろん新天地でのプロジェクトは始まったばかりだが、基本的なペップの信念は不変だ。まずハードワークの哲学は、様々な側面から見ても一目瞭然である。
 
 ペップが志向する激しいプレッシングサッカーを実践するには、インテンシティーとアジリティーが重要となる。そのために新監督は、夏のキャンプから選手たちに極めてハードなトレーニングを課した。
 
 しかもその中身は単にハードなだけではなく、個々の成長を促すメニュー。プレシーズンキャンプ時、ファビアン・デルフはペップのトレーニングを次のように形容した。
 
「インテンシティーは半端じゃない。高い位置でのプレスを要求されるし、非常にエネルギッシュで、とてつもなく激しい。でも、タフだけど最高だよ。プロフットボーラーとして10年近くやってきたけど、この2週間で学んだ内容はその10年分よりも濃いね」
 
 国内リーグやカップ戦を制覇した1960年代当時に主力として活躍し、現在はレジェンドとしてクラブのアンバサダーを務めるマイク・サマービーも、ペップ流トレーニングに感嘆している。
 
「ペップが監督になってから何度も練習を見たが、とにかくハイテンポで感動を覚えるくらいさ。常にアグレッシブにプレスをかけ、インテンシティーが極めて高い。ここまでハードなトレーニングをすれば、辿り着くところは一つしかない。サクセスだ」
 
 このハードなトレーニングは選手たちの減量に繋がり、シーズン序盤の快進撃の基盤となった。例えば開幕戦のサンダーランド戦で見たアレクサンダル・コラロフは、まるで別人のように頬がこけ、無駄な贅肉がない身体になっていたし、ラヒーム・スターリングもキレが格段に増していた。
 
 ペップを批判した代理人の発言が元で一時はチームから外されながら、昨年11月19日のクリスタル・パレス戦で復帰し、いきなり2ゴールを決めたトゥーレ・ヤヤも、見るからにスリムになり、昨シーズンのような鈍重さがなくなっている。
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