チームは不振に陥るも、一人輝きを放ち続けたパイエ。

CFで起用されるようになったことでフィニッシュに絡む機会が増えたA・サンチェス。守備でも貢献するなど献身性の高さも評価できる。 (C) Getty Images

リーグトップのキーパス数を記録したパイエ。ウェストハム自体は新スタジアムへの適応に苦しんで振るわなかったものの、このフランス人MFだけは気を吐いた。 (C) Getty Images
D・コスタとイブラヒモビッチが並ぶ、最前線にもう一人加えるとするならば、アレクシス・サンチェスをおいて他にはいない。
アーセナルに欠かすことのできないキーマンは、「1トップには不向き」との下馬評を覆す12ゴールをマーク。プレミア得点王争いを演じながらチームを牽引している。
密かに感心させられたのはサウサンプトンだ。今シーズンは背番号10を背負っていたサディオ・マネをリバプール、監督のロナルド・クーマンをエバートンに引き抜かれてもトップ10以内を保っている。
その補強と育成の上手さをもってすれば、前半戦のベストCBと言えるフィルジル・ファン・ダイクを噂されるマンチェスター・Cやチェルシーに奪われたとしても、穴を埋めてみせるのではないかと思えてしまう。
開幕前に躍進が期待されたウェストハムは露骨に苦しんだ。新スタジアムへの適応の不安が的中し、ホームでは2か月間も勝ち星に見放された。しかし、ディミトリ・パイエの個人技は6万人規模のロンドン・スタジアムでも、その価値に見合うものがあった。
シュートに直結したキーパス数は18節終了時点でリーグ最高の平均4.3本。周囲にフィニッシュ力さえあれば、アシスト数でもリーグトップに躍り出ていただろう。この観点から、マンチェスター・Cのケビン・デ・ブルイネやリバプールのアダム・ララーナを抑えてベスト11の1枠を与えたい。
前半戦のベストGKには、サンダーランドのジョーダン・ピックフォードを推したい。俊敏なセーブの数々は、降格圏の18位に沈むチームにとって、得点源のジャーメイン・デフォーに勝るとも劣らぬ命綱だ。
リバプール、トッテナム、アーセナルが獲得に興味を示していると伝えられるが、リネカーに倣って言えば「ピックフォードを奪われたサンダーランドは降格」となる。ゆえに、その存在価値は名立たる守護神たちのなかでも高いと言えるだろう。
【プレミアリーグ順位表】
1位 チェルシー 勝点46
2位 リバプール 勝点40
3位 マンチェスター・C 勝点39
4位 アーセナル 勝点37
5位 トッテナム 勝点36
6位 マンチェスター・U 勝点33
7位 エバートン 勝点26
8位 サウサンプトン 勝点24
9位 WBA 勝点23
10位 ワトフォード 勝点22
11位 ウェストハム 勝点22
12位 ボーンマス 勝点21
13位 ストーク 勝点21
14位 バーンリー 勝点20
15位 ミドルスブラ 勝点18
16位 レスター 勝点17
17位 クリスタル・パレス 勝点16
18位 サンダーランド 勝点14
19位 スウォンジー 勝点12
20位 ハル 勝点12
※18節終了現在。1~4位がチャンピオンズ・リーグ圏内、5位とFAカップ、リーグカップの各優勝チームがヨーロッパリーグ圏内、下位3チームが2部降格圏内
文:山中忍
【著者プロフィール】
山中忍/1966年生まれ、青山学院大学卒。94年渡欧。イングランドのサッカー文化に魅せられ、ライター&通訳・翻訳家として、プレミアリーグとイングランド代表から下部リーグとユースまで、本場のサッカーシーンを追う。西ロンドン在住で、ファンでもあるチェルシーの事情に明るい。
アーセナルに欠かすことのできないキーマンは、「1トップには不向き」との下馬評を覆す12ゴールをマーク。プレミア得点王争いを演じながらチームを牽引している。
密かに感心させられたのはサウサンプトンだ。今シーズンは背番号10を背負っていたサディオ・マネをリバプール、監督のロナルド・クーマンをエバートンに引き抜かれてもトップ10以内を保っている。
その補強と育成の上手さをもってすれば、前半戦のベストCBと言えるフィルジル・ファン・ダイクを噂されるマンチェスター・Cやチェルシーに奪われたとしても、穴を埋めてみせるのではないかと思えてしまう。
開幕前に躍進が期待されたウェストハムは露骨に苦しんだ。新スタジアムへの適応の不安が的中し、ホームでは2か月間も勝ち星に見放された。しかし、ディミトリ・パイエの個人技は6万人規模のロンドン・スタジアムでも、その価値に見合うものがあった。
シュートに直結したキーパス数は18節終了時点でリーグ最高の平均4.3本。周囲にフィニッシュ力さえあれば、アシスト数でもリーグトップに躍り出ていただろう。この観点から、マンチェスター・Cのケビン・デ・ブルイネやリバプールのアダム・ララーナを抑えてベスト11の1枠を与えたい。
前半戦のベストGKには、サンダーランドのジョーダン・ピックフォードを推したい。俊敏なセーブの数々は、降格圏の18位に沈むチームにとって、得点源のジャーメイン・デフォーに勝るとも劣らぬ命綱だ。
リバプール、トッテナム、アーセナルが獲得に興味を示していると伝えられるが、リネカーに倣って言えば「ピックフォードを奪われたサンダーランドは降格」となる。ゆえに、その存在価値は名立たる守護神たちのなかでも高いと言えるだろう。
【プレミアリーグ順位表】
1位 チェルシー 勝点46
2位 リバプール 勝点40
3位 マンチェスター・C 勝点39
4位 アーセナル 勝点37
5位 トッテナム 勝点36
6位 マンチェスター・U 勝点33
7位 エバートン 勝点26
8位 サウサンプトン 勝点24
9位 WBA 勝点23
10位 ワトフォード 勝点22
11位 ウェストハム 勝点22
12位 ボーンマス 勝点21
13位 ストーク 勝点21
14位 バーンリー 勝点20
15位 ミドルスブラ 勝点18
16位 レスター 勝点17
17位 クリスタル・パレス 勝点16
18位 サンダーランド 勝点14
19位 スウォンジー 勝点12
20位 ハル 勝点12
※18節終了現在。1~4位がチャンピオンズ・リーグ圏内、5位とFAカップ、リーグカップの各優勝チームがヨーロッパリーグ圏内、下位3チームが2部降格圏内
文:山中忍
【著者プロフィール】
山中忍/1966年生まれ、青山学院大学卒。94年渡欧。イングランドのサッカー文化に魅せられ、ライター&通訳・翻訳家として、プレミアリーグとイングランド代表から下部リーグとユースまで、本場のサッカーシーンを追う。西ロンドン在住で、ファンでもあるチェルシーの事情に明るい。