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【連載】小宮良之の『日本サッカー兵法書』其の百零三「試合に“出られない”のではなく“出られるポジションがない”選手たち…」

カテゴリ:連載・コラム

小宮良之

2016年12月27日

与えられた仕事に適応することは大事だが、向き不向きがある。

どんなポジションでもこなせるに越したことはないが、そんな起用な選手はほんのひと握り。自分の戦えるフィールドを確保することも大事なのだろう。写真はモドリッチ。 写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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 ハメスはインサイドハーフを何度か任されているが、その出来は芳しくない。さもありなん、である。
 
 例えば、ルカ・モドリッチはトップ下でも、インサイドハーフでも、ボランチでも、全てにおいて高い水準でプレーできる。しかし、このクロアチア代表MFのような存在は稀有。インサイドハーフの仕事をやり通せる選手は、世界を見渡しても限られている。
 
 そう考えると、バルサのような4-3-3が、マイノリティーなのは自明の理と言えるだろう(形は中盤3枚でもトリプルボランチのような守備的な戦術は別物)。
 
 余談だが、日本ではトップ下的な性格のMFが多いことから、その選手たちをインサイドハーフに配し、(Jリーグや日本代表などで)4-3-3が試されたことがあった。しかし、インサイドハーフに適性のある選手は少ないのが現状で、空回りに終わっている。
 
 大谷秀和(柏レイソル)、遠藤康(鹿島アントラーズ)、田口泰士(名古屋グランパス)、大島僚太(川崎フロンターレ)には可能性があるが、システムがリーグで主流になるには頭数が足りない。
 
 プロ選手は、プレーに適応するのが仕事のひとつである。他人のせいにせず、適用力、柔軟性が問われる。しかし、ポジション的役割と自分の適性を考えると、向き不向きは必ずあるものだ。
 
「このチームに自分のポジションはない」
 
 その思いに至ってしまったハメスが、どんな選択をするのか――。代理人は「1月中の移籍はない」と声明を出しているが、その去就が注目される。
 
文:小宮 良之
 
【著者プロフィール】
こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『おれは最後に笑う』(東邦出版)など多数の書籍を出版しており、2016年2月にはヘスス・スアレス氏との共著『「戦術」への挑戦状 フットボールなで斬り論』(東邦出版)を上梓した。
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