悔し涙を流した平川怜。2017年も大注目の逸材が思い描く理想像とは?

カテゴリ:高校・ユース・その他

松尾祐希

2016年12月12日

「自分が試合を決められるようになりたい」

プレミアEAST最終節、優勝が懸かった青森山田戦で手痛い敗北。試合後は人目も憚らず悔し涙をこぼした。写真:安藤隆人

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 最後の最後で苦渋を舐めたが、この1年間で平川が大きく成長を遂げた事実は揺るがない。とりわけ、メンタル面の充実は目を見張るばかりだ。元々、感情を表に出すタイプではなかったが、悔しさや自分の意見をはっきりと口にするようになった。その変化を間近で感じ取っていたのが、FC東京U-18の佐藤一樹監督だ
 
「(平川が変わったのは)経験が一番大きいと思いますし、自分でも意識を高くして練習から取り組んでいたからだと思う。今日の試合が終わってから、人一倍悔しがって泣いていましたから。そういう感情が思った以上にある。そういう感情表現が出てきたので、人としても成長できたのでしょう」
 
 だからこそ、悔しさが溢れ、彼は試合後、人目を憚らずに涙を流した。その姿を見て主将のCB蓮川壮大(3年)は、平川のさらなる成長を確信したという。
 
「泣いていましたね。どうしたと訊いたら、『なにもできなかった』と話していたけど、1年間、僕たちが怜に助けられた部分もあった。普段はあんな風に感情的にならない選手なのでびっくりですね。でも、涙を見て嬉しくなった。きっと来年も大丈夫だと、そう思いましたから」
 
 意識を切り替え、前方を見据える平川に、来年の抱負を訊いた。
 
「技術の部分で高いレベルに行かないといけないので、そこは伸ばしていきたい。あとはフィジカルの部分。特にスピードの部分を意識してやっていきたいと思う。自分が試合を決められるようになりたい。だから、来年はアシストやゴールという結果が必要になってくる」
 
 相当な覚悟と意気込みだ。
 
 1年生ながらレギュラーに定着して2冠獲得に貢献しただけでなく、U-16日本代表での活躍やJ3でのプロデビューなど話題を提供し、サッカーファンの注目を一身に集めた。そして、最後の最後で味わった手痛い敗北。これらすべてを糧とし、平川怜は進化を続けるだろう。
 
 2017年、勝利を呼び込む真の中軸となるために。
 
 
取材・文:松尾祐希(サッカーライター)
 
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