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2大会ぶり銅メダル、司令塔はMVP…。ヤングなでしこ指揮官がそれでも物足りなさを口にする理由

カテゴリ:日本代表

西森彰

2016年12月07日

再認識されたフィジカル差と決定力不足。

MVPを獲得した杉田(左)と大会得点王となった上野(右)。大会ではともに目覚ましい活躍を見せた。写真:西森彰

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 では、今大会で他チームに劣った部分、足りなかったものはどの部分か。指揮官と、実際にプレーした選手からは「フィジカル差」と「試合を決める力」が挙げられた。
 
 競り合いで身体を入れられないのも、ゴール前の接触プレーでバランスを崩すのも、体格差によるところが大きい。今大会も失点の多くが、サイドからの浮き球1本で生まれた(4失点中3点。うちPK2本含む)のも、対応するDFの心理的コンプレックスを含めた影響は小さくない。
 
「結局、どの年代でも同じ。もう、フィジカルの要素を抜いては考えられない」と高倉監督。とはいえ、小・中学生年代の選手なら、食事の指導を含めて選択肢は多いが、20歳前後の選手に「背を伸ばせ、大きくなれ」と言っても仕方がない。頭ひとつぶん大きな相手にも当たり負けしない体幹や、対応のテクニックを磨く他ないだろう。これは、代表合宿だけでは時間が足りない部分でもあり、各人の努力に負うところは大きい。
 
 決定力不足については、すでに優勝したアジア予選の頃から、その兆候は見られていた。「きちんとした体勢でシュートを打てていないし、シュートの技術自体も低い」(高倉監督)。課題克服のために指揮官が、GKとフィールドプレーヤー双方にノルマを設けたシュート練習でも、だいたい勝つのはGKチームのほう。枠内に飛ぶ本数も少なかった。
 
 今大会、日本は6試合を戦って北朝鮮(21得点)に続く16得点を奪った。だが、ノックアウトラウンドに進んだ8チームで、シュート1本あたりの得点や枠内シュート率を比較すると、半分より下になる(北朝鮮、ブラジルが、力量的に劣っていた開催国パプアニューギニアとのゲームで稼ぐなど、対戦相手の違いが影響しているのも事実だが)。
 
 とりわけ、ベスト4以降の2試合では、準決勝の延長30分を含む210分間で44本のシュートを放ちながら、わずか2ゴール(うち1点はPK)という結果に終わってしまった。大会を通じて4得点という立派な数字を残した籾木結花(日テレ・ベレーザ)をはじめ、攻撃の選手が責任を感じているのは、そのためだ。
 
 U-17年代あたりまでは脆弱な守備組織を比較的個の力でも突破できるため、決定機の数そのものが多く、ひとつのミスが致命傷にはなりにくかった。しかし、年齢が上がるに連れて、対戦相手の守備力も高まり、きれいな形での得点は減っていく。彼女たちが、今後、なでしこジャパンで戦うためには、攻守ともに「その一本」に対する意識を高める必要がある。
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