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【コラム】マンCとの首位攻防戦を制すも、チェルシーが「優勝筆頭候補」と騒がれない理由

カテゴリ:メガクラブ

山中忍

2016年12月06日

なぜ、チェルシーは「優勝筆頭候補」に挙がらないのか?

D・コスタやアザールなどキーマンを欠けば、崩壊しかねないチェルシー。当面の目標は優勝ではなく、主力のコンディション維持だろう。 (C) Getty Images

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 それほど自信に溢れるチームでありながら、まだ現地では「優勝の最右翼」とは言われない。それはなぜなのか?
 
 ブックメーカーの優勝予想では、マンチェスター・C戦後のチェルシーに20チーム中トップの2倍強のオッズがつけられてはいる。だが、識者間での評価は大半が「有力候補の一角」止まりだ。
 
 元イングランド代表CBのリオ・ファーディナンドは、「当初、候補とはみなしていなかったが見直した」という程度。“チェルシー・レジェンド”のジャンフランコ・ゾーラでさえ、「マンチェスター・Cとリバプールとの三つ巴」と言うにとどめている。
 
 仕方のない部分はある。8連勝中とはいえ、チーム事情を考えれば順風満帆とまではいかないからだ。
 
 例えばマンチェスター・C戦では、ウイングバック起用に奮闘努力で応えているヴィクター・モーゼスとマルコス・アロンソが、グアルディオラが攻撃目的のウイングバックとして当ててきたレロイ・ザネとヘスス・ナバスに繰り返しチャンスを作られた。
 
 さらに13節のトッテナム戦では、敵のハイプレスに苦しんだ前半に3バックが攻撃の起点として全く機能しなかった。
 
 そして、万が一、D・コスタとアザールが怪我でもしたらどうなるか? リーグ戦で11ゴール・5アシストをマークしているエースと、ハードワークを最重要とするコンテが「攻撃に集中せよ」と自由を与えているドリブラーは代えがきかない。一方を欠いただけでも、「残酷なほど切れ味が鋭い」と評判のカウンターは、その必殺度が著しく下がるだろう。
 
 従って、グアルディオラのマンチェスター・Cに衝撃的な敗戦を食らわせても、優勝争いの「ダークホース」から「有力候補」へと昇格しただけなのだ。
 
 もっとも、コンテのチェルシーにすれば、そうした状況は本望だろう。「優勝云々は前半戦を終えてから」とする指揮官は、システム変更の英断を下した後も「努力」と「謙虚」という二語を繰り返し続けている。
 
「やるべきことをやるだけ」とまとまりを見せる集団は、まずシーズンが後半戦に突入する年始を「最有力候補」として迎えるべく、3-4-3システムの研磨とコンディションの維持に努めるだけだ。
 
文:山中忍
 
【著者プロフィール】
山中忍/1966年生まれ、青山学院大学卒。94年渡欧。イングランドのサッカー文化に魅せられ、ライター&通訳・翻訳家として、プレミアリーグとイングランド代表から下部リーグとユースまで、本場のサッカーシーンを追う。西ロンドン在住で、ファンでもあるチェルシーの事情に明るい。
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