「あの時は、何を考えていたか自分でも分からない」と語るクロップがチームを目覚めさせる。
プレミア随一の迫力を誇るアンフィールドのスタンドにいる「12人目」の戦士たちだが、無得点のまま迎えた後半にはボールを支配してもゴールには迫れない展開にしびれを切らし、チームを後押しする声援は弱まっていたどころか、ラストパスが失敗に終われば不満の呻き声が上がるようになっていた。
その戦況を、国内各紙が「狂気のチアリーダー」と呼ぶクロップが瞬時に変えたのだ。
彼の一喝でリバプール・サポーターは目を覚まし、スタンドの温度は急上昇。リバプールのイレブンも、指揮官が「試合の非常に重要な一部だ」と語る雰囲気の変化を肌で感じ、相手ゴールに迫りだしたのだ。わずか10分足らずの間に、エムレ・ジャン、ロベルト・フィルミーノ、ジョーダン・ヘンダーソン、マネが立て続けにチャンスに絡んだ。
勢いの増すなかリバプールは、75分にディボック・オリギの見事なシュートによって待望の先制点を奪う。このゴールが、敗戦回避に注力していたサンダーランドを攻めざるを得ない状況に追い込み、91分にはカウンターからマネがファウルをもらってPKを奪い、ジェームズ・ミルナーがしっかり決めた追加点に繋がった。
何よりも重要な先制点アシストは主将のヘンダーソンによるものだったが、勝利をお膳立てしたのはクロップに他ならない。
当人は「あの時、自分が何を考えていたのかよくわからない」と言うのだから、まさに指揮官の「本能」が可能にした“勝点アシスト”だと言える。
13節にしてリーグ戦での総得点数が30点台に一番乗りしたリバプールは今後、下位勢との対戦で相手が守備に徹するケースが増えるだろう。その意味でも、サンダーランド戦で奪った3ポイントには大きな価値がある。
クロップの“アシスト”は、リバプールの今後に向けても、絶大なる意義を持ちそうだ。
文:山中忍
【著者プロフィール】
山中忍/1966年生まれ、青山学院大学卒。94年渡欧。イングランドのサッカー文化に魅せられ、ライター&通訳・翻訳家として、プレミアリーグとイングランド代表から下部リーグとユースまで、本場のサッカーシーンを追う。西ロンドン在住で、ファンでもあるチェルシーの事情に明るい。
その戦況を、国内各紙が「狂気のチアリーダー」と呼ぶクロップが瞬時に変えたのだ。
彼の一喝でリバプール・サポーターは目を覚まし、スタンドの温度は急上昇。リバプールのイレブンも、指揮官が「試合の非常に重要な一部だ」と語る雰囲気の変化を肌で感じ、相手ゴールに迫りだしたのだ。わずか10分足らずの間に、エムレ・ジャン、ロベルト・フィルミーノ、ジョーダン・ヘンダーソン、マネが立て続けにチャンスに絡んだ。
勢いの増すなかリバプールは、75分にディボック・オリギの見事なシュートによって待望の先制点を奪う。このゴールが、敗戦回避に注力していたサンダーランドを攻めざるを得ない状況に追い込み、91分にはカウンターからマネがファウルをもらってPKを奪い、ジェームズ・ミルナーがしっかり決めた追加点に繋がった。
何よりも重要な先制点アシストは主将のヘンダーソンによるものだったが、勝利をお膳立てしたのはクロップに他ならない。
当人は「あの時、自分が何を考えていたのかよくわからない」と言うのだから、まさに指揮官の「本能」が可能にした“勝点アシスト”だと言える。
13節にしてリーグ戦での総得点数が30点台に一番乗りしたリバプールは今後、下位勢との対戦で相手が守備に徹するケースが増えるだろう。その意味でも、サンダーランド戦で奪った3ポイントには大きな価値がある。
クロップの“アシスト”は、リバプールの今後に向けても、絶大なる意義を持ちそうだ。
文:山中忍
【著者プロフィール】
山中忍/1966年生まれ、青山学院大学卒。94年渡欧。イングランドのサッカー文化に魅せられ、ライター&通訳・翻訳家として、プレミアリーグとイングランド代表から下部リーグとユースまで、本場のサッカーシーンを追う。西ロンドン在住で、ファンでもあるチェルシーの事情に明るい。