抜群の観察眼。チームコンセプトに縛られず有効な手立てで打開する。
この試合、まず彼がやったことは、イメージを実践しながら『相手を観察する』ことだった。イランはラインを下げて来たが、左MFの自らに対してサイドバックは積極的に食いついて来た。
しかし、ベトナムは食いついてこなかった。それに気が付いた長沼は、これまでのワンタッチプレーや裏に抜けながらのボールの引き出しをするのではなく、敢えてディフェンスラインのスペースの前でボールを受けてから仕掛けるスタイルを選択した。
「内山監督にはよく『止まってプレーをするな』と言われているのですが、ベトナムはサイドバックが来ない分、(最終ラインの前で)止まってボールを受けた方が、チームコンセプトとは若干違いますが、有効だと思った」
彼のプレー選択は効果的だった。10分にFW中村駿太の追加点をアシストする結果を残したが、それ以上にボランチやCBの縦パスを引き出して、最終ラインの前で起点を作ってから、アタッキングエリアに侵入して行くプレーは、ベトナム守備陣を大いに苦しめた。
26分にはMF原輝綺の縦パスを受けて、飛び込んで来たDFを鮮やかなボールタッチで交わしてミドルシュートを放ち、66分にも強烈なミドルシュートでゴールを脅かした。
「相手がどうディフェンスをして来るかを見ないと、効果的な対応は出来ません。試合中にしっかりと自分で分析をして、判断をすることは重要なことだと思います」
どこまでもクールな彼は、試合を無駄にしない。出ていなければ情報を収集する重要な機会と捉えてイメージを膨らませ、出ている時はイメージをベースに相手を分析し、ベストな選択をする。決勝では、その冷静な目でどんな分析力を見せてくれるのか。広島のクールな頭脳に注目だ。
取材・文:安藤隆人(サッカージャーナリスト)
しかし、ベトナムは食いついてこなかった。それに気が付いた長沼は、これまでのワンタッチプレーや裏に抜けながらのボールの引き出しをするのではなく、敢えてディフェンスラインのスペースの前でボールを受けてから仕掛けるスタイルを選択した。
「内山監督にはよく『止まってプレーをするな』と言われているのですが、ベトナムはサイドバックが来ない分、(最終ラインの前で)止まってボールを受けた方が、チームコンセプトとは若干違いますが、有効だと思った」
彼のプレー選択は効果的だった。10分にFW中村駿太の追加点をアシストする結果を残したが、それ以上にボランチやCBの縦パスを引き出して、最終ラインの前で起点を作ってから、アタッキングエリアに侵入して行くプレーは、ベトナム守備陣を大いに苦しめた。
26分にはMF原輝綺の縦パスを受けて、飛び込んで来たDFを鮮やかなボールタッチで交わしてミドルシュートを放ち、66分にも強烈なミドルシュートでゴールを脅かした。
「相手がどうディフェンスをして来るかを見ないと、効果的な対応は出来ません。試合中にしっかりと自分で分析をして、判断をすることは重要なことだと思います」
どこまでもクールな彼は、試合を無駄にしない。出ていなければ情報を収集する重要な機会と捉えてイメージを膨らませ、出ている時はイメージをベースに相手を分析し、ベストな選択をする。決勝では、その冷静な目でどんな分析力を見せてくれるのか。広島のクールな頭脳に注目だ。
取材・文:安藤隆人(サッカージャーナリスト)