”デュエル”へのこだわりが一番良くないところかもしれない。
記者A チームが一番まとまっていたのは、イラク戦終盤のパワープレーだった。吉田を前に出して、ボールを持ったらあそこに放り込む。それをみんなが共有していた。チームとして戦っていると感じたのが、選手が自主的にパワープレーに踏み切ったあの場面というのが、ちょっと寂しく感じるよね。
――単刀直入に言うと、日本代表の一番の問題は?
記者A 最初の頃は、危機感の薄さがあったかもしれない。初戦でUAEに負けた時は、コメントを拒否して帰る選手がいてもおかしくないと思っていたけど、みんなちゃんと止まって冷静に話した。淡々としていて、この敗戦をどう受け止めているのな、とは思った。
でも、イラク戦くらいからは、吉田がため息をつきながら話していたので、だんだん危機感が高まってきたのかなと。
記者B 一番っていうと難しいね。ただ、監督は言い訳をしないと言っているけど、言い訳はしている。時間がなくて落とし込めないとか。
――今まで主力の顔触れはあまり変わりませんから、監督がやりたいサッカーは選手に伝わっているはずですよね?
記者A そこは、選手が監督の理想についていけていないんだと思う。去年の年末にハリルホジッチ監督にインタビューした時に、「日本人の弱点であるデュエルの強さを、それでも求めますか?」と聞いたら、「そこはスタンダードだ」と言うんだよ。
ただ、ライターの加部さんも言っているけど、ハリルホジッチ監督は日本人の弱みを改善することに重きを置いていて、完全に強みが消えている。それで中途半端なサッカーになっているから、もしかしたら”デュエル”へのこだわりが一番良くないところかもしれない。
記者B 浅野がヨーロッパに移籍して「球際や1対1の部分がまだまだ足りない」と気づいたと言っていた。それを聞くと、ハリルホジッチ監督の言い分は間違っていないと思うけど、国内組のそこを伸ばすのは難しいんじゃないかという疑問もある。
記者A であれば、海外組だけでチームを編成すべきだよね。厳しいデュエルを経験していない選手に、映像で見せたり、口で言っても分からない。
記者B 国内組も言い続ければ意識が変わるのかなと思うけど、いずれにせよ時間がかかる作業になる。
記者A 俺は意識の問題だとは思っていない。以前、全世界の高校生年代の選手がスペインに集まって、シャッフルして混合チームで大会をやったことがあるんだ。そこで日本人は、まったく目立たなかった。下手なんだけど、目立つのはイタリア人やドイツ人やスペイン人。
球際の強さやスライディングの深さが、段違いだった。習ったというより、サッカー文化が根付いている国で自然と身についたのものかなという気がして、ここは追いつけないんじゃないかなと思った。
記者B 日本サッカーは、そこをうやむやにしたまま来ているのかなと。それをハリルホジッチ監督が気づかせてくれている。『君たち、これでは勝てないぞ』と。
記者C そういう意味で言うと、育成なんだよ。育成のところで球際だったり、タックルの深さだったりを追求してこなかったツケが回ってきた。プレスのかけ方は上手くなったかもしれないけど、プレスして奪い切るところの厳しさがない。若年層を見ていてもそう感じる。
――単刀直入に言うと、日本代表の一番の問題は?
記者A 最初の頃は、危機感の薄さがあったかもしれない。初戦でUAEに負けた時は、コメントを拒否して帰る選手がいてもおかしくないと思っていたけど、みんなちゃんと止まって冷静に話した。淡々としていて、この敗戦をどう受け止めているのな、とは思った。
でも、イラク戦くらいからは、吉田がため息をつきながら話していたので、だんだん危機感が高まってきたのかなと。
記者B 一番っていうと難しいね。ただ、監督は言い訳をしないと言っているけど、言い訳はしている。時間がなくて落とし込めないとか。
――今まで主力の顔触れはあまり変わりませんから、監督がやりたいサッカーは選手に伝わっているはずですよね?
記者A そこは、選手が監督の理想についていけていないんだと思う。去年の年末にハリルホジッチ監督にインタビューした時に、「日本人の弱点であるデュエルの強さを、それでも求めますか?」と聞いたら、「そこはスタンダードだ」と言うんだよ。
ただ、ライターの加部さんも言っているけど、ハリルホジッチ監督は日本人の弱みを改善することに重きを置いていて、完全に強みが消えている。それで中途半端なサッカーになっているから、もしかしたら”デュエル”へのこだわりが一番良くないところかもしれない。
記者B 浅野がヨーロッパに移籍して「球際や1対1の部分がまだまだ足りない」と気づいたと言っていた。それを聞くと、ハリルホジッチ監督の言い分は間違っていないと思うけど、国内組のそこを伸ばすのは難しいんじゃないかという疑問もある。
記者A であれば、海外組だけでチームを編成すべきだよね。厳しいデュエルを経験していない選手に、映像で見せたり、口で言っても分からない。
記者B 国内組も言い続ければ意識が変わるのかなと思うけど、いずれにせよ時間がかかる作業になる。
記者A 俺は意識の問題だとは思っていない。以前、全世界の高校生年代の選手がスペインに集まって、シャッフルして混合チームで大会をやったことがあるんだ。そこで日本人は、まったく目立たなかった。下手なんだけど、目立つのはイタリア人やドイツ人やスペイン人。
球際の強さやスライディングの深さが、段違いだった。習ったというより、サッカー文化が根付いている国で自然と身についたのものかなという気がして、ここは追いつけないんじゃないかなと思った。
記者B 日本サッカーは、そこをうやむやにしたまま来ているのかなと。それをハリルホジッチ監督が気づかせてくれている。『君たち、これでは勝てないぞ』と。
記者C そういう意味で言うと、育成なんだよ。育成のところで球際だったり、タックルの深さだったりを追求してこなかったツケが回ってきた。プレスのかけ方は上手くなったかもしれないけど、プレスして奪い切るところの厳しさがない。若年層を見ていてもそう感じる。