CS1回戦を回避したい鹿島が警戒するのは…。
第1ステージを制してCS出場権を獲得した鹿島も、できれば年間勝点で3位以内を確保したい。前述したように、「年間勝点 > ステージ優勝」という図式があるため、仮に年間勝点4位以下に転落するとCSでかなり不利になる。
とはいえ、直近の5試合は2勝1分2敗と不安定な鹿島も、残り3節で年間勝点4位のG大阪、同5位の柏と8ポイント差、同6位の大宮とは9ポイント差。しかも、鹿島は得失点差でも後続の3チームを大きくリードしている。余程のアクシデント(例えばリーグ3連敗)がないかぎり、年間勝点3位以内は固い。
ただ、一方で浦和、川崎との年間勝点差はそれぞれ「8」と「7」であり、鹿島がここから上位2チームを逆転するのも難しい。
仮に鹿島が年間勝点3位を確定させたとして、彼らにとって最悪なシナリオは浦和、川崎以外のクラブが第2ステージで優勝するパターンだ。そうなった場合、第2ステージ最終節の3日後にCSの1回戦(11月6日)を戦うことになる。準決勝が11月23日開催というスケジュールを考えれば、1回戦は回避したい。
その意味で鹿島が警戒しているのは神戸だろう。第2ステージでは7戦無敗(6勝1分)と絶好調で、14節を終えた現時点で浦和に勝点5差の2位につけている。19ゴールで得点ランクのトップを行くレアンドロの決定力、技巧派ペドロ・ジュニオールのチャンスメイクを主武器に、10節に浦和、直近の14節に川崎を破った神戸の実力は侮れない。
年間勝点で8位に甘んじている神戸がCSに出場する道は、もはや第2ステージで優勝するしかない。いわば、2ステージ制ならではの話題を提供しているのが今の神戸であり、彼らの快進撃がどこまで続くかも見どころのひとつだ。
面白いのは、第2ステージの最終節に鹿島と神戸の一戦が組まれているところだ。神戸がそこまで優勝の可能性を残していれば、大注目のゲームになる。
2ステージ制とCS方式は今季限りで、2017年シーズンからは通年のリーグ戦に戻る。
来季よりライブストリーミングサービス『DAZN』と10年間で約2100億円の放映権契約を締結したことなどで2ステージ制を見直す流れになったわけだが、今季は今季で通年制にない醍醐味をサッカーファンに提供できているのではないか。神戸の躍進がまさにそうであり、“ミラクル・ヴィッセル”が第2ステージ制覇を成し遂げればCSへの関心度はさらに高まるはずである。
「年間勝点1位がそのままリーグチャンピオンにならないのはおかしい」との意見ももちろんあるだろうが、2ステージ制特有の楽しみ方があるのもまた事実だ。ラスト3節でどんなドラマが生まれるのか。興味深く見守りたい。
文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト)
とはいえ、直近の5試合は2勝1分2敗と不安定な鹿島も、残り3節で年間勝点4位のG大阪、同5位の柏と8ポイント差、同6位の大宮とは9ポイント差。しかも、鹿島は得失点差でも後続の3チームを大きくリードしている。余程のアクシデント(例えばリーグ3連敗)がないかぎり、年間勝点3位以内は固い。
ただ、一方で浦和、川崎との年間勝点差はそれぞれ「8」と「7」であり、鹿島がここから上位2チームを逆転するのも難しい。
仮に鹿島が年間勝点3位を確定させたとして、彼らにとって最悪なシナリオは浦和、川崎以外のクラブが第2ステージで優勝するパターンだ。そうなった場合、第2ステージ最終節の3日後にCSの1回戦(11月6日)を戦うことになる。準決勝が11月23日開催というスケジュールを考えれば、1回戦は回避したい。
その意味で鹿島が警戒しているのは神戸だろう。第2ステージでは7戦無敗(6勝1分)と絶好調で、14節を終えた現時点で浦和に勝点5差の2位につけている。19ゴールで得点ランクのトップを行くレアンドロの決定力、技巧派ペドロ・ジュニオールのチャンスメイクを主武器に、10節に浦和、直近の14節に川崎を破った神戸の実力は侮れない。
年間勝点で8位に甘んじている神戸がCSに出場する道は、もはや第2ステージで優勝するしかない。いわば、2ステージ制ならではの話題を提供しているのが今の神戸であり、彼らの快進撃がどこまで続くかも見どころのひとつだ。
面白いのは、第2ステージの最終節に鹿島と神戸の一戦が組まれているところだ。神戸がそこまで優勝の可能性を残していれば、大注目のゲームになる。
2ステージ制とCS方式は今季限りで、2017年シーズンからは通年のリーグ戦に戻る。
来季よりライブストリーミングサービス『DAZN』と10年間で約2100億円の放映権契約を締結したことなどで2ステージ制を見直す流れになったわけだが、今季は今季で通年制にない醍醐味をサッカーファンに提供できているのではないか。神戸の躍進がまさにそうであり、“ミラクル・ヴィッセル”が第2ステージ制覇を成し遂げればCSへの関心度はさらに高まるはずである。
「年間勝点1位がそのままリーグチャンピオンにならないのはおかしい」との意見ももちろんあるだろうが、2ステージ制特有の楽しみ方があるのもまた事実だ。ラスト3節でどんなドラマが生まれるのか。興味深く見守りたい。
文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

10月13日発売号ではJ1・第2ステージ残り3節の見どころを特集。中村憲剛選手のインタビュー、楢﨑正剛×田口泰士選手の対談に加え、J1・500試合の偉業を達成した阿部勇樹選手のストーリーにも迫ります。クラブダイジェストはC大阪。