「バルサらしくない」セルジ・ロベルトがメッシと右サイドの新時代を切り開く

カテゴリ:ワールド

豊福晋

2016年10月03日

「ダニ・アウベスの時代」をBチームとトップチームを往復しながら眺めた。

バルサ黄金期に欠かせないピースだったダニ・アウベス(左)も、後を託したセルジ・ロベルト(右)の台頭を喜ぶ。写真:Rafa HUERTA

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 2000年後半に始まるバルサの黄金期は、カルレス・プジョール、シャビ、イニエスタ、メッシ、ブスケッツ、ジェラール・ピケなど、カンテラ出身の才能が次々と現れてはトップチームに定着し、キャリアのピークを共有できたからこそ生まれた。そこに、ペップ・グアルディオラという稀代の名将がやって来る幸運に恵まれた。
 
 しかし、忘れてはならないのが、ダニ・アウベスの存在だ。右サイドを疾走するブラジル人は、前方のメッシを輝かせていた。攻撃時にはサイドバックというよりウイング並みの高いポジションを取り、相手の最終ラインを開かせ、メッシのスペースを作った。後方から駆け上がる躍動感は、黄金期のバルサにおいて欠かせないピースだったのだ。
 
 セルジはそんな「ダニ・アウベスの時代」を、Bチームとトップチームのベンチを往復しながら眺めた。数年後、自らがその右サイドを駆けることになるなど、その頃は想像もできなかっただろう。
 
 2016-2017シーズン、右のタッチライン際にはセルジの姿がある。ダニがユベントスに去り、セルジがその後釜に居座ったのだ。右サイドから、また何かが始まる予感がする。
 
 ボルシアMG戦の勝利の後、セルジは勝利を祝うメッセージをSNSにあげた。世界からの数多くのコメントの中に、トリノからのメッセージがあった。ダニ・アウベスからのものだった。
 
 カンプ・ノウの右サイドを託した後輩の活躍を一番喜んでいるのは、このブラジル人かもしれない。
 
文:豊福晋
 
【著者プロフィール】
1979年、福岡県生まれ。2001年のミラノ留学を経て、フリーで取材・執筆活動を開始。イタリア、スコットランドと拠点を移し、09年夏からはスペインのバルセロナに在住。リーガ・エスパニョーラを中心に、4か国語を操る語学力を活かして欧州フットボールシーンを幅広く、ディープに掘り下げている。独自の視点から紡ぐ、軽妙でいて深みのある筆致に定評がある。
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