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3年間でスコットランド→ポルトガル→ポーランドを巡る“25歳日本人DF”は「移籍するごとに学ぶ」。欧州カップ戦で開始4分の緊急出場には「想定外。ビックリしました」【現地発】

カテゴリ:海外日本人

中田徹

2025年12月20日

「出場機会を失って1年間、ほぼ試合に出られなくなりました」

試合終了後、深夜にあっても小林は真摯に取材対応してくれた。写真:中田徹

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 今季開幕時はレギュラーだった小林。カンファレンスリーグの予選では6試合中5試合にスタメンで出場した。しかし、グループステージでは最終節(6試合目)にようやく出番が訪れた。エクストラクラサ(ポーランドリーグ)でも9月下旬以降、わずか5分間の出場に留まっている。

「単純に今、チーム内の競争で勝ててないのが原因だと思います。この試合で一旦ウインターブレイクに入りますが、それが明けたらもう一回アピールしてポジションを勝ち取って試合に出るようにしないといけない」

 ヴィッセル神戸からセルティック(スコットランド)へ移籍したのは2023年1月のこと。1年半後の24年夏にポルティモネンセ(ポルトガル)に入団。そして今季はヤギエロニアと、短期間で小林は移籍を繰り返している。

「セルティックに入って最初の半年でポステコグルー監督がいなくなり、僕はそこから出場機会を失って1年間、ほぼ試合に出られなくなりました。ポルティモネンセに移籍し、ある程度、コンスタントに試合に出たことが、このチームへの移籍に繋がったと思います。

 短期間で移籍が多いのは、僕もそれを臨んでいるわけではありませんが、選手として上を目ざす中で選択してきたこと。普段の練習や、チーム内での振る舞いを、移籍するごとに学ぶことも多くあります。今のチームでは自分のポジションを勝ち取れてないので、今はここでしっかり出て活躍することを集中して頑張りたいと思います」
 
 キックオフは21時。試合後のインタビューは深夜となったが、それでも初対面の相手に真摯に対応する小林の姿に「振る舞い」という言葉が似合った。出場機会に恵まれなくても、腐ることなく振る舞い、味方ともしっかりコミュニケーションを取る――。そういう姿が脳裏に浮かんだ。

「真面目にやるのが日本人のイメージとしてあると思います。そこは実際に、僕自身の良さでもあります。『振る舞い』の面で言うと、このチームは性格的に個性の強い選手が多いので、ピッチに入ったときにもっと目立つというか、今の自分の立場を考えても、試合に出たときにアピールしないといけない。普段の自分は落ち着いて、真面目という自分のキャラでいればいいですが、試合ではチームを鼓舞したり、DFラインを統率したりする姿を見せることも大事だと感じてます」

――それを今日、見せることができたのでは?

「そうですね。センターバックとしてはコンスタントに良いパフォーマンスを出すのが大事です。今日は良かったと思いますが、これを続けていきたいです」

 現在、ヤギエロニアはエクストラクラサで3位。首位ヴィスワ・プウォツク、2位グールニクの勝点はともに30。勝点29のヤギエロニアは未消化試合に勝てば単独首位に躍り出る。

――ヤギエロニアの強み、魅力は?

「攻撃において自分たちが主導権を握ってボールを保持しながらチャンスを作っていく。そして守って奪ってからのカウンターの速さがこのチームの特徴です」

――前半ありましたね。6番からのミドルパスから左オープンを抜け出した80番のシュート。

「あそこはチームとしての良さでもあると思います。ボールを保持しながらも、失った後のアグレッシブさ。できるだけ早くボールを奪って、そこから早くカウンターに繋げるのが、この半年間のリーグ戦でも良い結果として出ています。そこが強みだと思います」

 33歳のアドリアン・シェミエンニェツ監督は「ユウキはプロフェッショナル。いつでも試合に出る準備はできている。今日は試合開始早々、急きょ彼に出番が訪れたが、私はユウキのことを信頼し切っていた」と語った。

 あとはAZ戦で見せたパフォーマンスをウインターブレイク後も継続し、ポジションを勝ち取るのみ。渡欧して3年、紆余曲折の25歳CBは26年の飛躍を誓う。

取材・文●中田 徹
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