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GSで最大のハードルはクロアチア戦。大きな山場はベスト8。イングランドは60年ぶりのW杯優勝を果たせるか【現地発】

カテゴリ:ワールド

田嶋コウスケ

2025年12月11日

戦前予想では準々決勝でブラジルと対決

イングランドにもタイトルを――欧州屈指の戦略家として定評あるトゥヘル監督に期待の眼差しが送られている。(C)Getty Images

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 グループステージ(GS)における最大のハードルは、やはり初戦のクロアチア戦だ。2018年W杯の準決勝で敗れた因縁の相手であり、英スポーツサイトの『ESPN』 は「まるで過去の再演」と表現した。08年の欧州選手権予選で敗れ、本大会出場が叶わなかったという屈辱を味わった相手でもある。

 クロアチアのFIFAランキングは10位。40歳となった今も、主将ルカ・モドリッチは健在だ。ただチーム全体で高齢化が進み、かつてほどの勢いはない。粘り強く進める試合巧者の一面はあるが、中盤の主力に30代以上が少なくなく、前大会までのダークホースの立ち位置ではない。同じポット2にいたウルグアイや、24年コパ・アメリカ準優勝のコロンビアに比べれば、戦いやすい相手と言える。

 ガーナも難敵だ。FIFAランキングは72位だが、トゥヘル監督はこのガーナに警戒心を強めているようだ。トッテナムのモハメド・クドゥス、ボーンマスのアントワーヌ・セメニョといったウインガーのアタックに象徴されるダイナミズムが最大の武器となる。イングランドとしては、守備→攻撃のトランジション、迫力満点のサイドアタックに細心の注意を払う必要がある。

 なお最後のパナマについては、大きな問題を引き起こす相手とは見られていない。18年W杯では両国が対戦し、イングランドが6-1で大勝した。
 
 英紙『デーリー・テレグラフ』はGSをこう予想する。

「ポット4からガーナが入った瞬間、イングランド陣営の雰囲気が一変した。ポット4では最も危険な相手であり、予選も見事な内容で突破したからだ。ただ、イングランドの行方を決めるのは、初戦のクロアチア戦だろう。ここで勝利すればスムーズに滑り出せるはずだ」

 振り返ると、イングランドのW杯予選は順調そのものだった。予選8試合をすべて勝利し、1つの失点も許さなかった。トゥヘル監督は今のイングランドについて「プレミアリーグのようにダイナミックで、フィジカルな攻撃サッカー」を目ざすと話している。実際に最近の試合では、ボール奪取のスピードと展開の速さに重きを置いている。課題は、北米の暑さと湿度の中でも、そのスタイルを維持できるか。

 優勝を目ざすイングランドにとって「真の勝負」はベスト8からと見る。『デーリー・テレグラフ』の予想によると、L組を1位で通過すれば、ベスト32でグループ3位のチーム、そしてベスト16で「韓国、もしくはメキシコ」と対戦する予定。そして、ベスト8でカルロ・アンチェロッティ監督が率いるブラジル代表と対決するという。こうした戦前予想はいつも当たらないが、仮にそのとおりになれば、ここが大きな山場になりそうだ。

 GSを慎重に戦いつつ、長距離移動への対策や酷暑の適応など課題をクリアしていけば、1966年の自国開催以来、60年ぶりの栄冠にぐっと近づくはずだ。

取材・文●田嶋コウスケ

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