J1定着へ。本当の戦いはこれから
高木監督は最低限の修正を図った後は「選手たちを信じて任せればいい」と考えたのかもしれない。選手を自立させ、自ら考えられるように導くことこそ、成功への最大の近道だと悟ったのだろう。
「以前の高木さんは選手と最低限しか話さない感じでしたけど、今は気さくに話しかけてくれる。選手とよく喋るようになったのかなと。そこは変わったんじゃないかなと思います」と長崎、大宮アルディージャでも共闘している翁長聖は変化を口にする。
そうやって選手との意思疎通を密にして、彼らの考えを理解しつつ、最適解を見出していったのではないか。
「チームはみんなで作っていくもの」という原理原則があるが、長く現場に立ち続けていると、それを忘れがちになることもある。高木監督は2022年12月に長崎に戻った後、現場から離れたところで仕事をしてきたが、その経験もプラスに働いたはずだ。
「以前の高木さんは選手と最低限しか話さない感じでしたけど、今は気さくに話しかけてくれる。選手とよく喋るようになったのかなと。そこは変わったんじゃないかなと思います」と長崎、大宮アルディージャでも共闘している翁長聖は変化を口にする。
そうやって選手との意思疎通を密にして、彼らの考えを理解しつつ、最適解を見出していったのではないか。
「チームはみんなで作っていくもの」という原理原則があるが、長く現場に立ち続けていると、それを忘れがちになることもある。高木監督は2022年12月に長崎に戻った後、現場から離れたところで仕事をしてきたが、その経験もプラスに働いたはずだ。
「監督になる前は、事業部でまたちょっと違う角度からサッカーを見るという貴重な経験をさせていただきました。そのなかで視野を広げることができた。いろんなプロジェクトやイベントをやる際、いろんな背景があることが見えてきましたし、良い学びになったと思います。そのうえで監督になり、何とかチームを盛り上げていこうと思っていました」とも発言。「オール長崎」を貫いて、自身3度目のJ1昇格を果たしたのである。
こうして一応の成果を残した高木監督だが、本当の戦いはここから。横浜FC時代は昇格翌年の2007年にシーズン途中で解任の憂き目に遭い、長崎を昇格させた翌18年も1年でJ2に戻る羽目になっている。
今回はJ1定着を確実に果たさなければいけない。山口やディエゴ・ピトゥカのようなJ1トップ経験者もいる今は、それが可能なはず。2026年以降のチーム作り、マネジメントを興味深く注視していきたいものである。
取材・文●元川悦子(フリーライター)
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