コンテ、ラニエリ、アンチェロッティ etc.……国外で活躍するイタリア人監督の強みとは?

カテゴリ:ワールド

マウリツィオ・クロゼッティ

2016年08月17日

モウリーニョやグアルディオラもイタリアでは学ぶ立場だった。

80年代にミランの黄金時代幕開けの立役者となったサッキ。選手経験のほとんどないこのイタリア人監督が、サッカー界の歴史と潮流を変えた。彼もマドリードの2チームから、監督、フロントとして招聘された経験を持つ。 (C) REUTERS/AFLO

画像を見る

 では、「イタリア人監督」の特徴と強みはどこにあるのだろうか。
 
 ひと言で言えば、「戦術」ということになるだろう。チームが擁する選手たちの長所・短所を深く理解してそれを最大限に活用する基本戦術を構築し、さらに対戦相手を執拗に研究して緻密な対策を施す。そして、それらをチームにしっかりと根付かせるだけの指導メソッドを持っている。
 
 そうした伝統的なアプローチとノウハウは、フィレンツェ郊外コベルチャーノにあるイタリア・サッカー連盟テクニカルセンターに蓄積され、継承されている。イタリアでプロ監督になるには、ここで実施される監督ライセンスマスターコースを受講し、卒業しなければならない。
 
 イタリア人監督ほど、詳細かつ綿密に戦術的な布陣や動きを研究している者はいない。ジョゼ・モウリーニョやジョゼップ・グアルディオラのような世界的な名監督たちですら、イタリアからは学ぶ立場だった。
 
 グアルディオラは、自らの監督キャリアにとって最も重要な経験のひとつは、2001年にバルセロナからブレッシャに移籍し、カルロ・マッツォーネの下でプレーしたことだった、と言ってはばからない。
 
 イタリア人監督の優秀さは、一般的に流布されている「カテナッチョ」という言葉に象徴される守備的なイメージを大きく超えたところにある。
 
 イタリア・サッカーが守備に重きを置くこと、そしてその守備の戦術が緻密かつ堅牢であることは事実だ。しかし、それが全てではまったくない。
 
 過去30年間、イタリアの監督たちはサッカー戦術史に残る仕事を成し遂げてきた。その最大のものが、アリーゴ・サッキが80年代後半にミランで実現したゾーンディフェンス&プレッシングの戦術だ。現代サッカーは「サッキ以前」と「サッキ以後」に大別されると言っても過言ではない。
 
 70年代前半に一世を風靡したヨハン・クライフのアヤックスとオランダ代表の「トータルフットボール」を研究し、そこにイタリア的なメンタリティーに基づく緻密な守備戦術を融合させたサッキの4-4-2は、世界で最も柔軟かつ汎用性の高いシステムとして、それ以降のワールドスタンダードとなった。
【関連記事】
「移籍金レコード更新」の歴史は? シアラー、ロナウド、ジダン、C・ロナウド、ベイル、そしてポグバ――
【リオ五輪】スウェーデンが女王アメリカに続き開催国を撃破!女子決勝はドイツとの欧州勢対決に
「なんで俺ばっかり…」物議を醸したジエゴ・コスタが不満を吐露
熱血アクションで話題のコンテ「毎日クラブとは話し合っている」とさらなる補強を示唆
「パンツ一丁」で見事な司会を見せたリネカー。名物番組ホストの座はまだまだ安泰だ!
【現地8月16日の主な移籍まとめ】B・ペレス、テージョ、M・スアレス、マトリなどが新天地へ!

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト 王国の誇りを胸に
    4月10日発売
    サッカー王国復活へ
    清水エスパルス
    3年ぶりのJ1で異彩を放つ
    オレンジ戦士たちの真髄
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 特別企画
    5月1日発売
    プレミアリーグ
    スター★100人物語
    絆、ルーツ、感動秘話など
    百人百通りのドラマがここに!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 完全保存版
    1月17日発売
    第103回全国高校サッカー選手権
    決戦速報号
    前橋育英が7年ぶりの戴冠
    全47試合&活躍選手を詳報!
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ