実際、日本はジョーカーを複数揃え、その面々が結果を残さないと、W杯本番で勝ち上がるのは難しい。2022年カタールW杯でも堂安律（フランクフルト）や浅野拓磨（マジョルカ）がその役割を担い、ドイツ、スペインという強豪撃破の立役者になった。
直近のブラジル戦でも、後半から出てきた伊東純也（ヘンク）がガラリを流れを変え、中村の同点弾、上田綺世（フェイエノールト）の逆転弾をアシスト。王国から金星を奪う原動力になっている。前田を筆頭に、そういう存在が何人出てくるかで、次のW杯の成否が決まるといっても過言ではないだろう。
もちろんFWの小川航基（NEC）や町野修斗（ボルシアMG）もキーマンではあるし、若い後藤啓介（シント＝トロイデン）や北野颯太（ザルツブルク）、佐藤龍之介（岡山）の成長にも期待したいが、前田には前回W杯のクロアチア戦（１－１、1PK3）で先制弾を叩き出した実績がある。
自身の代表初ゴールを決めた相手がガーナ
世界が注目する大舞台で結果を残した経験値はやはり大きい。そのポテンシャルを、今回のガーナ戦で示すことができれば、流れも変わるはず。ガーナは自身が2022年６月に代表初ゴールを決めた相手でもある。
三笘薫（ブライトン）の離脱が続くなか、左ウイングバックとしての存在価値を証明し、ジョーカーとしての違いを見せつけることが、今回の前田に課される最重要課題だ。
取材・文●元川悦子（フリーライター）
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